個別粒子分析法によるマツ葉に付着した粒子状物質の化学的特徴

大気中の粒子状物質の調査として,クロマツ葉に付着した粒子に着目した。自動車交通や工場などの産業活動が盛んな神戸市においてクロマツ苗木を設置し,葉表面の粒子状物質を電界放射型走査電子顕微鏡による個別粒子分析法を用いて,形態観察および化学組成を分析した。化学組成値をもとにクラスター分析を行った結果,粒子は5種類に分類された。それらは,(I)Si,Al,Mg,Ca,Feなどを含む粒子,(II)Siを多く含む粒子,(III)Na,Clから成る粒子,(IV)Caを多く含む粒子,(V)Feを多く含む粒子,の5つのクラスターである。粒子の化学組成と形態から,それぞれのクラスターにおける粒子の発生源の検討を試...

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Published in環境科学会誌 Vol. 18; no. 3; pp. 269 - 274
Main Authors 岩崎, みすず, 田結庄, 良昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2005
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ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj1988.18.269

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Summary:大気中の粒子状物質の調査として,クロマツ葉に付着した粒子に着目した。自動車交通や工場などの産業活動が盛んな神戸市においてクロマツ苗木を設置し,葉表面の粒子状物質を電界放射型走査電子顕微鏡による個別粒子分析法を用いて,形態観察および化学組成を分析した。化学組成値をもとにクラスター分析を行った結果,粒子は5種類に分類された。それらは,(I)Si,Al,Mg,Ca,Feなどを含む粒子,(II)Siを多く含む粒子,(III)Na,Clから成る粒子,(IV)Caを多く含む粒子,(V)Feを多く含む粒子,の5つのクラスターである。粒子の化学組成と形態から,それぞれのクラスターにおける粒子の発生源の検討を試みた。土壌粒子や海塩粒子など自然起源の粒子や,鉄球粒子やブレーキ磨耗粒子などの人為起源の粒子が存在した。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj1988.18.269