低光量条件下における光質の違いが幼茶樹の光合成および窒素吸収同化能に及ぼす影響

本研究では, チャの品質向上を目的とした被覆栽培におけるLED利用技術を確立するため, 低光量下での光質の差異が生育, 形態, 光合成および窒素吸収同化能に及ぼす影響を調査した. 水耕幼茶樹に対して, 赤色, 青色および白色LED (いずれもPPFD 100 μmol m-2s-1)を15日間照射した結果, 新芽生育量には光質間に有意な差はなかった. しかし, 新葉の光合成速度, 蒸散速度, 気孔コンダクタンスおよび可溶性糖含量は, 青色と白色LED照射下で高く, 赤色LED照射下で低かった. また, 赤色LED照射下では, 根のGS活性が早期に低下し, 植物体の窒素吸収量に加え新芽への窒素転...

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Published in植物環境工学 Vol. 24; no. 1; pp. 16 - 24
Main Authors 鈴木, 利和, 中村, 孔秋, 片岡, 直子, 一家, 崇志, 森田, 明雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生物環境工学会 01.03.2012
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Summary:本研究では, チャの品質向上を目的とした被覆栽培におけるLED利用技術を確立するため, 低光量下での光質の差異が生育, 形態, 光合成および窒素吸収同化能に及ぼす影響を調査した. 水耕幼茶樹に対して, 赤色, 青色および白色LED (いずれもPPFD 100 μmol m-2s-1)を15日間照射した結果, 新芽生育量には光質間に有意な差はなかった. しかし, 新葉の光合成速度, 蒸散速度, 気孔コンダクタンスおよび可溶性糖含量は, 青色と白色LED照射下で高く, 赤色LED照射下で低かった. また, 赤色LED照射下では, 根のGS活性が早期に低下し, 植物体の窒素吸収量に加え新芽への窒素転流量も少なかった. 以上の結果から, 低光量の光照射下では, チャの新芽生育に光質の違いはみられなかったが, 品質向上には青色光を含む光照射が効果的であることが示唆された.
Bibliography:ZZ20020518
831147
ISSN:1880-2028
1880-3563
DOI:10.2525/shita.24.16