浜名湖庄内湾におけるLimnoperna fortunei kikuchiiの分布

• Published in: Suisan Zoshoku Vol. 41; no. 1; pp. 89 - 95
• Main Authors: 千葉, 健治, 黒倉, 寿, 岡本, 研, 平野, 禮次郎
• Format: Journal Article
• Language: English; Japanese
• Published: 日本水産増殖学会 1993
• ISSN: 0371-4217; 2185-0194
• DOI: 10.11233/aquaculturesci1953.41.89

浜名湖の一支湾, 庄内湾における付着性二枚貝, コウロエンカワヒバリガイ, Limnoperna fortunei kikuchiiの分布を, 湾内の6つの定点にビニロンロープ製のコレクターを設置する方法で調べ, 環境要因および他の付着生物との関係を論じた。L.fortunei kikuchiiは湾内の中央部から奥部にかけて, 付着生物群集の中で優占種となっていた。いっぽう, 1974年の調査では同じ地域優占種として分布していたホトトギスガイ, Musculista senhousiaはわずかに2つの定点で付着性二枚貝類の出現量のうちのごく一部を占めるにとどまっていた。庄内湾では, 最近20年間, 急激な環境の変化は生じていないことから, L.fortunei kikuchiiは1974年から1979年の間に湾内に移入し, それまで卓越していたM.senhousiaを排除したものと考えられた。