‘カワヅザクラ’ (Prunus lannesiana Wils. ‘Kawazu-zakura’)における自発休眠覚醒期

早咲きザクラである‘カワヅザクラ’の自発休眠覚醒期と休眠解除に必要な低温要求量を調査した. 2003年度と2004年度のそれぞれ10月20日, 11月5日, 11月26日, 12月5日, 12月26日に河津町田中に植栽されている‘カワヅザクラ’から切り枝し, 最低気温15℃の温室内に搬入して水挿しした. 花芽の開花率は10月下旬から12月上旬まで, 葉芽の展葉率は, 10月下旬から12月下旬まで, 温室への搬入が遅くなるほど上昇した. 開花率については11月5日処理と11月26日処理の間で明らかな差がみられ, 展葉率については11月5日処理と12月5日処理との間で明らかな差がみられた. このこ...

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Published in植物環境工学 Vol. 19; no. 3; pp. 132 - 136
Main Authors 中村, 新市, 加藤, 智恵美, 村上, 覚, 稲葉, 善太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生物環境工学会 01.09.2007
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ISSN1880-2028
1880-3563
DOI10.2525/shita.19.132

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Summary:早咲きザクラである‘カワヅザクラ’の自発休眠覚醒期と休眠解除に必要な低温要求量を調査した. 2003年度と2004年度のそれぞれ10月20日, 11月5日, 11月26日, 12月5日, 12月26日に河津町田中に植栽されている‘カワヅザクラ’から切り枝し, 最低気温15℃の温室内に搬入して水挿しした. 花芽の開花率は10月下旬から12月上旬まで, 葉芽の展葉率は, 10月下旬から12月下旬まで, 温室への搬入が遅くなるほど上昇した. 開花率については11月5日処理と11月26日処理の間で明らかな差がみられ, 展葉率については11月5日処理と12月5日処理との間で明らかな差がみられた. このことから, 花芽の自発休眠は12月上旬には既に覚醒しており, 葉芽についてはそれ以降であることが明らかになった. また, 自発休眠覚醒に影響を及ぼす気温は他のサクラと比較して高いことが示唆され, これらのことが早咲きの一因と推察された.
Bibliography:742461
ZZ20020518
ISSN:1880-2028
1880-3563
DOI:10.2525/shita.19.132