産地判別を目的とした水耕レタス類へのヨウ素の標識について

ヨウ素が水耕野菜における産地特定のためのマーカー元素になるかどうかを検討した. ヨウ素酸塩(KIO3)とヨウ化物(KI)をそれぞれ培養液にヨウ素として4段階の濃度(0.05, 0.10, 0.20, 0.50 mg l-1)で加え, レタス類(Lacutuca sativa L., 品種: レッドファイヤー, 楽天)を24日間栽培した. 両ヨウ素塩処理とも全ての処理区で対照区と同様の良好な生育を示し, また培養液中のヨウ素濃度の増加に伴い, 葉部のヨウ素濃度も直線的に増加した. 両ヨウ素塩とも0.05~0.20 mg l-1の処理濃度範囲において, レタス類470 g(厚生省が2010年までに...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in植物環境工学 Vol. 19; no. 3; pp. 137 - 140
Main Authors 白, 光潔, 中原, 光久, 村瀬, 治比古, 上野, 大介, 赤尾, 勝一郎, 染谷, 孝, 井上, 興一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生物環境工学会 01.09.2007
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:ヨウ素が水耕野菜における産地特定のためのマーカー元素になるかどうかを検討した. ヨウ素酸塩(KIO3)とヨウ化物(KI)をそれぞれ培養液にヨウ素として4段階の濃度(0.05, 0.10, 0.20, 0.50 mg l-1)で加え, レタス類(Lacutuca sativa L., 品種: レッドファイヤー, 楽天)を24日間栽培した. 両ヨウ素塩処理とも全ての処理区で対照区と同様の良好な生育を示し, また培養液中のヨウ素濃度の増加に伴い, 葉部のヨウ素濃度も直線的に増加した. 両ヨウ素塩とも0.05~0.20 mg l-1の処理濃度範囲において, レタス類470 g(厚生省が2010年までに推奨する1日野菜摂取量)に含まれるヨウ素量は, 天然賦存量の上限値(約0.22 mg kg-1 DW)を大きく上回り, 1日許容摂取量(ADI: 3.0 mg day-1)の半分以下の値であった. これらの結果から, ヨウ素は処理濃度を適切に設定すればマーカー元素として利用できると判断された.
Bibliography:742462
ZZ20020518
ISSN:1880-2028
1880-3563
DOI:10.2525/shita.19.137