各種緑茶,発酵茶,後発酵茶の菌類とそのマイコトキシン産生

10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×102cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×103cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×103cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydo...

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Published inChagyō kenkyū hōkoku Vol. 1994; no. 79; pp. 31 - 36
Main Authors クラーク, ジェイムズ・エイチ, ネイラー, ジャネット・エム, バンクス, ジョン・エヌ, スキュウーダモア, キース・エイ, 伊藤, 陽子, 向井, 俊博, 堀江, 秀樹, 後藤, 哲久
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本茶業学会 15.08.1994
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Summary:10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×102cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×103cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×103cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydowiiであった。今回分離された菌のうち,A. sydowiiはいずれもステリグマトシスチンを産生しなかった。また,A. versicolorのうちの一株は,穀類の培地上にステリグマトシスチンを産生したが,緑茶や緑茶に10%穀類を添加した培地では,ステリグマトシスチンの産生はみられなかった。
Bibliography:500107
ZZ00016154
ISSN:0366-6190
1883-941X
DOI:10.5979/cha.1994.31