多収の高アミロース米水稲品種「亜細亜のかおり」の育成

「亜細亜のかおり」は多収の高アミロース米品種の育成を目的として,高い収量性をもつ「関東239 号」(後の「やまだわら」)を母とし,高アミロース米系統「北陸207 号」(後の「越のかおり」)を父とする人工交配から育成され,2018 年に品種登録出願された.移植栽培での「亜細亜のかおり」の出穂期および成熟期は「あきだわら」並で,その早晩性から,「亜細亜のかおり」の栽培適地は北陸および関東以西である.稈長および穂長は「あきだわら」よりやや短く,穂数はやや少ない.精玄米重は「あきだわら」並で,「越のかおり」と比較し標肥で20%,多肥で25% 程度多収である.玄米千粒重は26 ~27g で,玄米外観品質...

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Published inNōken Kikō kenkyū hōkoku Vol. 2020; no. 5; pp. 11 - 20
Main Authors 前田, 英郎, 笹原, 英樹, 松下, 景, 長岡, 一朗, 重宗, 明子, 後藤, 明俊, 山口, 誠之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 30.11.2020
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ISSN2434-9895
2434-9909
DOI10.34503/naroj.2020.5_11

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Summary:「亜細亜のかおり」は多収の高アミロース米品種の育成を目的として,高い収量性をもつ「関東239 号」(後の「やまだわら」)を母とし,高アミロース米系統「北陸207 号」(後の「越のかおり」)を父とする人工交配から育成され,2018 年に品種登録出願された.移植栽培での「亜細亜のかおり」の出穂期および成熟期は「あきだわら」並で,その早晩性から,「亜細亜のかおり」の栽培適地は北陸および関東以西である.稈長および穂長は「あきだわら」よりやや短く,穂数はやや少ない.精玄米重は「あきだわら」並で,「越のかおり」と比較し標肥で20%,多肥で25% 程度多収である.玄米千粒重は26 ~27g で,玄米外観品質は「あきだわら」「越のかおり」より劣る.「亜細亜のかおり」のアミロース含有率は「越のかおり」並の30 ~35% で,尿素崩壊性は“難”であり,米麺の食味は「越のかおり」並である.葉いもち圃場抵抗性は“やや強”,穂いもち圃場抵抗性は“弱”である.白葉枯病圃場抵抗性は“中”,縞葉枯病には“罹病性”,耐倒伏性は“中”,障害型耐冷性は“弱”,穂発芽性は“やや難”である.
Bibliography:ZZ20574380
936486
ISSN:2434-9895
2434-9909
DOI:10.34503/naroj.2020.5_11