仔牛血清の伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス増殖抑制機序

仔牛血清(CS)による伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)プラーク形成抑制機序を調べた。CS中の抑制物質は, CSを鶏胚線維芽細胞(CEF)とともに保温することで吸収され, 抑制物質のCEFへの付着が示唆された。CEFに吸着するIBDV量は細胞をあらかじめCSで処理すると減少した。また, プラーク観察用重層寒天にCSを加えた場合にもIBDVプラーク形成は抑制され, CSは周囲細胞への感染拡大を阻止した。さらにCSはIBDVを直接不活化(中和)するのではないことが示された。これらの成績から, CS中の抑制物質はCEF表面に付着して, おそらくは細胞表面のウイルスレセプターをおおうことによ...

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Published inJapanese journal of veterinary science Vol. 48; no. 6; pp. 1141 - 1146
Main Authors 小沼, 操, 東原, 則子, 干, 大海, 児玉, 洋, 見上, 彪, 伊澤, 久夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 15.12.1986
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ISSN0021-5295
1881-1442
DOI10.1292/jvms1939.48.1141

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Summary:仔牛血清(CS)による伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)プラーク形成抑制機序を調べた。CS中の抑制物質は, CSを鶏胚線維芽細胞(CEF)とともに保温することで吸収され, 抑制物質のCEFへの付着が示唆された。CEFに吸着するIBDV量は細胞をあらかじめCSで処理すると減少した。また, プラーク観察用重層寒天にCSを加えた場合にもIBDVプラーク形成は抑制され, CSは周囲細胞への感染拡大を阻止した。さらにCSはIBDVを直接不活化(中和)するのではないことが示された。これらの成績から, CS中の抑制物質はCEF表面に付着して, おそらくは細胞表面のウイルスレセプターをおおうことにより, IBDVの細胞吸着を阻止することが示唆された。
Bibliography:ZZ00004647
382599
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.48.1141