精白米由来のポリガラクチュロナーゼの精製と性状

米胚乳に内在するポリガラクチュロナーゼ(PG)の炊飯中の作用を検討すると共に、本酵素を精製し一部の性状を明らかにした。細胞間の結着に関与するペクチン含量は、炊飯中に約40%減少した。米胚乳からPGを抽出・精製し、2つのアイソザイム(PG-1、PG-2)を確認した。分子量は約67,000、等電点は5.6(PG-1)と5.1(PG-2)を示した。最適温度は60℃、温度安定性は70℃で約40%の活性を保持していた。最適pHは5.0(PG-1)と4.5(PG-2)を示し、炊飯調理時のpH 7付近において約40%活性を保持していた。また、基質分解試験の結果、精製PGが炊飯条件でペクチンおよびペクチン酸を...

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Published inFood preservation science Vol. 33; no. 4; pp. 189 - 196
Main Authors 辻井, 良政, 内野, 昌孝, 高野, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.07.2007
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Summary:米胚乳に内在するポリガラクチュロナーゼ(PG)の炊飯中の作用を検討すると共に、本酵素を精製し一部の性状を明らかにした。細胞間の結着に関与するペクチン含量は、炊飯中に約40%減少した。米胚乳からPGを抽出・精製し、2つのアイソザイム(PG-1、PG-2)を確認した。分子量は約67,000、等電点は5.6(PG-1)と5.1(PG-2)を示した。最適温度は60℃、温度安定性は70℃で約40%の活性を保持していた。最適pHは5.0(PG-1)と4.5(PG-2)を示し、炊飯調理時のpH 7付近において約40%活性を保持していた。また、基質分解試験の結果、精製PGが炊飯条件でペクチンおよびペクチン酸を分解することを確認した。以上のことから、米胚乳中の2つのPGが炊飯過程中で米のペクチンを分解し、細胞間の結着を緩め、米飯のテクスチャー形成に影響を与えることが推察される。
Bibliography:763216
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
DOI:10.5891/jafps.33.189