逆解析による推定実蒸発散量とペンマン可能蒸発量及び補完法による実蒸発散量との比較 北海道,東北,西日本農業研究センター及び農村工学研究部門の気象資料による

本研究は,逆解析による推定実蒸発散量(ETa)とペンマン可能蒸発量(Ep)及び補完法による実蒸発散量(Eac)を分析し,相互に比較検討した内容である.まず,日単位のETaとEpを比較し,月別のETa/Epを求め,この比率は4月~10月では0.7~0.9を示し,これまでの経験値は5月,6月では過小推定であること,各試験地におけるETa/Epの月別変化は経験値と類似していることを明らかにした.次に,つくば試験地の資料を用いて,渦相関法,ボーエン比法と逆解析法の結果を比較し,年蒸発散量に大きな差がないことを確認した. その上で,日単位,月単位及び年単位のETaとEacを比較し,補完法にEac>...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 89; no. 2; pp. I_343 - I_352
Main Authors 藤井, 三志郎, 伊藤, 浩三, 丸山, 利輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2021
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ISSN1882-2789
1884-7242
DOI10.11408/jsidre.89.I_343

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Summary:本研究は,逆解析による推定実蒸発散量(ETa)とペンマン可能蒸発量(Ep)及び補完法による実蒸発散量(Eac)を分析し,相互に比較検討した内容である.まず,日単位のETaとEpを比較し,月別のETa/Epを求め,この比率は4月~10月では0.7~0.9を示し,これまでの経験値は5月,6月では過小推定であること,各試験地におけるETa/Epの月別変化は経験値と類似していることを明らかにした.次に,つくば試験地の資料を用いて,渦相関法,ボーエン比法と逆解析法の結果を比較し,年蒸発散量に大きな差がないことを確認した. その上で,日単位,月単位及び年単位のETaとEacを比較し,補完法にEac>0の条件をつけた場合,逆解析法の結果と補完法の結果は,ほぼ一致することを見出した.また,経験法である補完法は,ボーエン比法の根拠を持つこと,わが国でも補完法が使用可能なことを明らかにした.
Bibliography:ZZ20032779
946925
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.89.I_343