鶏の直結腸部Remak神経の神経路

鶏から摘出したRemak神経と直結腸をつけたままのRemak神経を用いて, 刺激に応じて神経に発生する電位変化をしょ糖隔絶法によって記録し, 腸管の機械的反応を等尺性張力変換器を用いてしらべた. Remak神経は神経インパルスの伝導速度からみてB線維とC線維で構成されていることがわかり, Remak神経中の神経路にはシナプスを含むものがあった. さらに, Remak神経を上行ありいは下行してから神経枝を経て直結腸ヘ走向する径路, 腰仙骨内蔵神経からRemak神経に入り神経枝を経て直結腸へ向う径路, ならびに直結腸から神経枝中の求心路を経てRemak神経に入り, 近傍の神経枝中の遠心路を経て直結...

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Published inJapanese journal of veterinary science Vol. 45; no. 4; pp. 443 - 452
Main Authors 長崎, 正明, 武脇, 義, 大橋, 秀法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1983
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Summary:鶏から摘出したRemak神経と直結腸をつけたままのRemak神経を用いて, 刺激に応じて神経に発生する電位変化をしょ糖隔絶法によって記録し, 腸管の機械的反応を等尺性張力変換器を用いてしらべた. Remak神経は神経インパルスの伝導速度からみてB線維とC線維で構成されていることがわかり, Remak神経中の神経路にはシナプスを含むものがあった. さらに, Remak神経を上行ありいは下行してから神経枝を経て直結腸ヘ走向する径路, 腰仙骨内蔵神経からRemak神経に入り神経枝を経て直結腸へ向う径路, ならびに直結腸から神経枝中の求心路を経てRemak神経に入り, 近傍の神経枝中の遠心路を経て直結腸にいたる反射回路が見出された. これらの神経路には, いずれも直結腸にいたる途中にシナプスが介在していた. Remak神経などの刺激に応じて神経枝で記録される電位変化と直結腸の収縮反応との間には, 薬物感受性において一致点が多かったので, 本報で明らかにした神経路は主として興奮性支配に関係しており, 非コリン非アドレナリン作動性神経であると考えられた.
Bibliography:ZZ00021048
272967
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.45.443