多形質アニマルモデルREML法による卵用鶏の遺伝的パラメーターの推定

家畜改良センター岡崎牧場で選抜されている卵用鶏の256日齢体重(BW),初産日齢(SM),252日齢卵重(EW),169日齢から280日齢までの産卵率(EPA)および初産から280日齢までの産卵率(EPB)の5形質についで遺伝的パラメーターの推定を行なった。分析には1986年から1994年までのホワイトレグホーン種3系統(E1, E4およびS46),劣性ホワイトロック種1系統(L17)およびロードアイランドレッド種1系統(Y8)の計5系統のデータを用いた。分散成分は,年次,群,近交係数および遺伝の効果を考慮したモデルにより,EMREMLによる多形質アニマルモデルを用いて推定した。 遺伝率は系統...

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Published inNihon Kakin Gakkaishi Vol. 33; no. 3; pp. 185 - 192
Main Authors ダンバロ, ガリバ, 大山, 憲二, 向井, 文雄, 辻, 荘一, 宮田, 透
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本家禽学会 1996
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Summary:家畜改良センター岡崎牧場で選抜されている卵用鶏の256日齢体重(BW),初産日齢(SM),252日齢卵重(EW),169日齢から280日齢までの産卵率(EPA)および初産から280日齢までの産卵率(EPB)の5形質についで遺伝的パラメーターの推定を行なった。分析には1986年から1994年までのホワイトレグホーン種3系統(E1, E4およびS46),劣性ホワイトロック種1系統(L17)およびロードアイランドレッド種1系統(Y8)の計5系統のデータを用いた。分散成分は,年次,群,近交係数および遺伝の効果を考慮したモデルにより,EMREMLによる多形質アニマルモデルを用いて推定した。 遺伝率は系統により若干の差異が認められ,BW, SM, EW, EPAおよびEPBでそれぞれ0.51-0.65, 0.35-0.47, 0.51-0.60, 0.13-0.19および0.20-0.27の範囲で推定された。またこれら遺伝率推定値の加重平均は,それぞれ0.58, 0.44, 0.56, 0.17および0.23であった。EPAとEPB間の遺伝相関は,0.80-0.93と予想どおり高く推定されたが,これら産卵率と他の形質との遺伝相関は,BWと正の低い値を示したほかは,負の低い値であった。本報告で得られた推定値,特に遺伝相関は系統ごとに異なった様相を示しており,また改良量にもとづく選抜指数式作成で実際に用いられている値とも異なっているため,系統ごとに分散•共分散成分を推定する必要性が示唆された。
Bibliography:541691
ZZ20005654
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.33.185