周生期ラットの舌下腺における粘液分泌に関する組織計測学

周生期ラットの舌下腺腺房細胞と粘液の量的変動を組織計測学的に調べた。舌下腺粘液は胎生末期に向かって蓄積し, 生後一時的に著しく減少した。腺細胞核は胎生末期に向かって扁平化し, 細胞の基底側へ押しやられていたが, 出生直後の著しい粘液放出と同時に, 核は一時的に円形化した後, 再び扁平となった。帝王切開によって採出された出生1日前の胎仔口腔内に綿球を挿入して2時間後に調べると, 出生直後に見られたと同様の変化が見られた。以上から, 出生後のラット舌下腺の粘液放出は, 口腔への外来性物理的刺激によるもので, このような舌下腺の反応能力は出生1日前にすでにそなわっていることが示唆された。...

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Published inJapanese journal of veterinary science Vol. 49; no. 5; pp. 825 - 831
Main Authors 岡田, 利也, 勝田, 真一, 橋本, 善之, 森川, 嘉夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1987
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ISSN0021-5295
1881-1442
DOI10.1292/jvms1939.49.825

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Summary:周生期ラットの舌下腺腺房細胞と粘液の量的変動を組織計測学的に調べた。舌下腺粘液は胎生末期に向かって蓄積し, 生後一時的に著しく減少した。腺細胞核は胎生末期に向かって扁平化し, 細胞の基底側へ押しやられていたが, 出生直後の著しい粘液放出と同時に, 核は一時的に円形化した後, 再び扁平となった。帝王切開によって採出された出生1日前の胎仔口腔内に綿球を挿入して2時間後に調べると, 出生直後に見られたと同様の変化が見られた。以上から, 出生後のラット舌下腺の粘液放出は, 口腔への外来性物理的刺激によるもので, このような舌下腺の反応能力は出生1日前にすでにそなわっていることが示唆された。
Bibliography:390935
ZZ00004647
ISSN:0021-5295
1881-1442
DOI:10.1292/jvms1939.49.825