日本ウズラにおける骨格筋組織のcalpain活性と筋肉タンパク質分解速度との関係

本研究では,タンパク質分解酵素の一種であるcalpain(カルシウム依存性中性プロテアーゼ)が筋肉タンパク質代謝回転速度にどのような影響をおよぼしているかを明らかにすることを目的として,筋肉タンパク質代謝回転速度の測定をMaeda et al.(1990)の方法に従ってNτ-Methylhistidine法により行うとともに,calpainおよびcalpastatin活性値の測定をInomata et al.(1983)の方法により無作為交配集団の日本ウズラを用いて行った。 その結果,3週齢時のそれぞれの相関係数は,筋肉タンパク質分解速度(Kd)とcalpain活性値では0.728,分解速度と...

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Published inNihon Kakin Gakkaishi Vol. 34; no. 4; pp. 231 - 239
Main Authors 河邊, 弘太郎, 前田, 芳實, 岡本, 新, 橋口, 勉
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本家禽学会 1997
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Summary:本研究では,タンパク質分解酵素の一種であるcalpain(カルシウム依存性中性プロテアーゼ)が筋肉タンパク質代謝回転速度にどのような影響をおよぼしているかを明らかにすることを目的として,筋肉タンパク質代謝回転速度の測定をMaeda et al.(1990)の方法に従ってNτ-Methylhistidine法により行うとともに,calpainおよびcalpastatin活性値の測定をInomata et al.(1983)の方法により無作為交配集団の日本ウズラを用いて行った。 その結果,3週齢時のそれぞれの相関係数は,筋肉タンパク質分解速度(Kd)とcalpain活性値では0.728,分解速度とcalpastatin活性値では-0.453であった。Kd(Y)に対するcalpain活性値(X1)およびcalpastatin活性値(X2)の重回帰式を作成したところY=5.892+14.033X1-88.128X2という結果が得られた。また,重回帰分析をおこなった結果より得られた偏回帰係数から,calpainおよびcalpastatin活性値が筋肉タンパク質分解速度に寄与する割合では,それぞれ0.605および0.453と評価され,またその決定係数は70.63%を示した。 以上の結果からcalpain活性と筋肉タンパク質代謝回転速度の間には密接な関係が存在しており,またcalpastatin活性も筋肉タンパク質代謝回転速度にある程度の影響をおよぼしていることが推察された。
Bibliography:552683
ZZ20005654
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.34.231