ラオス在来アヒルの遺伝子構成と系統分類学的考察

ラオスの在来アヒル56羽から採血を行い,その血液タンパク質多型について調べた。採血地はXiengkhuang省,Vientian省,Borikhamxay省およびChampasack省の4ヶ所で行い,それぞれの地域において11, 12, 10および23羽ずつ採血した。血液タンパク質を支配する22座位について調べたところ,そのうちの7座位において多型が観察された。その中でもとくに地域集団間で遺伝子頻度の差が大きかったのはPtf-1, LAP-2およびPHIの各座位であり,Ptf-1A, LAP-2A,およびPHIBの頻度はBorikhamxayの集団において特に高かった。Pa-1, Es-1,...

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Published inNihon Kakin Gakkaishi Vol. 37; no. 2; pp. 95 - 100
Main Authors 岡林, 寿人, 岡本, 敦子, 鏡味, 裕, 田名部, 雄一, 山本, 義雄, 並河, 鷹夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本家禽学会 2000
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Summary:ラオスの在来アヒル56羽から採血を行い,その血液タンパク質多型について調べた。採血地はXiengkhuang省,Vientian省,Borikhamxay省およびChampasack省の4ヶ所で行い,それぞれの地域において11, 12, 10および23羽ずつ採血した。血液タンパク質を支配する22座位について調べたところ,そのうちの7座位において多型が観察された。その中でもとくに地域集団間で遺伝子頻度の差が大きかったのはPtf-1, LAP-2およびPHIの各座位であり,Ptf-1A, LAP-2A,およびPHIBの頻度はBorikhamxayの集団において特に高かった。Pa-1, Es-1, Es-3およびEs-4座位においては地域集団間の差は小さかった。Borikhamxayの集団の遺伝子構成は他の地域集団のものと異なる傾向が見られたが,推定した遺伝子分化係数GSTは0.016と非常に小さく,調査した4地域の在来アヒルの集団は一つの集団と見得るものと考えられた。 他国のアジア産ならびにヨーロッパ産のアヒルにおける遺伝子構成とラオス在来アヒルの遺伝子構成を比較するために遺伝的距離に基づく枝分かれ図を描いたところ,ラオス在来アヒルはベトナム北部の在来アヒルに近いところに位置した。 ラオス在来アヒルの平均ヘテロ接合体率は0.127と推定された。これはアジアなどの他の地域のアヒルと比べて中程度のものであった。
Bibliography:610348
ZZ20005654
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.37.95