ポリグルタミン酸配合カルシウムサプリメントのヒトカルシウム吸収促進効果

納豆のネバの主成分であるポリグルタミン酸 (γ-PGA) は,腸管内で可溶性Ca量を上昇させることにより,腸管Ca吸収を促進することが確認されている.本試験では,健常男女ボランティア31名(男性16名,女性15名)にγ-PGAを配合したCaサプリメント(試験食品)を摂取させ, Ca吸収を尿中Ca排泄を指標として評価した.対照としてγ-PGA非配合のCaサプリメント(対照食品)を用いた.被験者には,早朝空腹時に試験食品あるいは対照食品を摂取させ,その後2時間ごと(摂取後0, 2, 4, 6, および8時間)に採尿し,尿中Ca量を測定した.また,骨吸収マーカーであるピリジノリン,デオキシピリジノリ...

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Published inNippon nōgei kagakukaishi Vol. 77; no. 5; pp. 504 - 507
Main Authors 野沢, 浩子, 秀崎, 百恵, 宮野, 玲子, 常松, 基子, 谷本, 浩之, 岡田, 享子, 伊藤, 和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 01.05.2003
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ISSN0002-1407
1883-6844
DOI10.1271/nogeikagaku1924.77.504

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Summary:納豆のネバの主成分であるポリグルタミン酸 (γ-PGA) は,腸管内で可溶性Ca量を上昇させることにより,腸管Ca吸収を促進することが確認されている.本試験では,健常男女ボランティア31名(男性16名,女性15名)にγ-PGAを配合したCaサプリメント(試験食品)を摂取させ, Ca吸収を尿中Ca排泄を指標として評価した.対照としてγ-PGA非配合のCaサプリメント(対照食品)を用いた.被験者には,早朝空腹時に試験食品あるいは対照食品を摂取させ,その後2時間ごと(摂取後0, 2, 4, 6, および8時間)に採尿し,尿中Ca量を測定した.また,骨吸収マーカーであるピリジノリン,デオキシピリジノリンの尿中排泄量を測定した.被験者全員(n=31)においては,試験食品群の尿中Ca量および初期値からの尿中Ca増加量には,対照食品群とで差は認められなかった.男性(n=16)においては,試験食品群の尿中Ca量および初期値からの尿中Ca増加量が対照食品群に比し上昇し,尿中Ca加量においては有意に高値を示した.一方,骨吸収マーカーであるピリジノリン,デオキシピリジノリンの尿中排泄量には両群で差は認められなかった.以上のことから, γ-PGA配合サプリメントがヒトのCa吸収を促進することが明らかとなった.
Bibliography:671031
ZZ00014810
ISSN:0002-1407
1883-6844
DOI:10.1271/nogeikagaku1924.77.504