ソコイトヨリとイトヨリダイの生殖腺の形態: 痕跡的雌雄同体性の証拠
ソコイトヨリNemiperus bathybiusの雄幼魚の生殖腺の背側には薄い結合組織層で分離された部分があり, その中央部を1本の管 (背管) が縦走している.成魚の精巣の背側部にはこの背管を囲んで輸精洞が存在する.イトヨリダイN. virgatusの精巣も基本的にはこれと同様の構造と特徴を持つ.両種の精巣の発達過程を組織学的に観察して, この背側部が幼期の両性的生殖腺の卵巣部分で背管はその卵巣腔-輸卵管系に相当すること, 背側部の雌的性能が特にイトヨリダイでは成魚期にも認められることがわかった.両種の計4個体に間性型生殖腺が見られたが, 一般に卵巣には精巣組織が存在しなかった.これら2種...
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Published in | Gyoruigaku zasshi Vol. 36; no. 1; pp. 82 - 89 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本魚類学会
1989
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Summary: | ソコイトヨリNemiperus bathybiusの雄幼魚の生殖腺の背側には薄い結合組織層で分離された部分があり, その中央部を1本の管 (背管) が縦走している.成魚の精巣の背側部にはこの背管を囲んで輸精洞が存在する.イトヨリダイN. virgatusの精巣も基本的にはこれと同様の構造と特徴を持つ.両種の精巣の発達過程を組織学的に観察して, この背側部が幼期の両性的生殖腺の卵巣部分で背管はその卵巣腔-輸卵管系に相当すること, 背側部の雌的性能が特にイトヨリダイでは成魚期にも認められることがわかった.両種の計4個体に間性型生殖腺が見られたが, 一般に卵巣には精巣組織が存在しなかった.これら2種のイトヨリダイ科魚類は精巣にのみ両性的構造を保持する痕跡的雌雄同体種とみなされる. |
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Bibliography: | 440757 ZZ20005607 |
ISSN: | 0021-5090 1884-7374 |
DOI: | 10.11369/jji1950.36.82 |