コーヒー豆由来のマンノオリゴ糖の食品への高度応用

世界的にみて、コーヒーは最もポピュラーな飲料の1つである。近年、多くの疫学研究により、コーヒーの飲用が様々な病気の予防に関与していることが示唆されており、注目されつつある。コーヒーには幾つかの生理活性物質が含まれており、生体に有用な効果を及ぼすことが知られている。その中で我々は、コーヒー抽出粕を熱加水分解することによって得られるマンノオリゴ糖(MOS)に着目した。MOSは感染症予防などで注目されているマンノースを構成糖としており、様々な機能が期待されたが、その有効性については殆ど解明されていなかった。そこでMOSの機能性評価および応用研究を開始した。最初に、MOSの整腸作用についてin vit...

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Published inJapan Journal of Food Engineering Vol. 8; no. 4; pp. 231 - 238
Main Authors 藤井, 繁佳, 浅野, 一朗, 尾崎, 和人, 熊王, 俊男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 15.12.2007
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Summary:世界的にみて、コーヒーは最もポピュラーな飲料の1つである。近年、多くの疫学研究により、コーヒーの飲用が様々な病気の予防に関与していることが示唆されており、注目されつつある。コーヒーには幾つかの生理活性物質が含まれており、生体に有用な効果を及ぼすことが知られている。その中で我々は、コーヒー抽出粕を熱加水分解することによって得られるマンノオリゴ糖(MOS)に着目した。MOSは感染症予防などで注目されているマンノースを構成糖としており、様々な機能が期待されたが、その有効性については殆ど解明されていなかった。そこでMOSの機能性評価および応用研究を開始した。最初に、MOSの整腸作用についてin vitro、動物試験および臨床試験でその機能性を確認した。次に、動物試験および臨床試験によりMOSが小腸における脂質の吸収を抑制して、体脂肪の低減作用を有していることを確認した。これらの知見は、MOS入りのコーヒー製品の開発に応用され、特定保健用食品として上市された。
Bibliography:ZZ20014033
751477
ISSN:1345-7942
DOI:10.11301/jsfe2000.8.231