犬の三尖弁に発生した心臓粘液肉腫

右心不全により死亡した9歳の犬の三尖弁に心臓粘液肉腫の発生がみられた。剖検では, 三尖弁中隔尖に付着した卵円形の腫瘤は5.5×3×2.5cmの大きさで, 右心房と右心室を占拠していた。腫瘤の割面は灰白色, 黄色, 赤色などさまざまで, 広範な壊死・出血領域を伴っていた。組織学的には, 酸性粘液多糖類に富んだ無定形ないし細線維状の粘液様基質と, 核内に豊富なクロマチンを有し旺盛な増殖活性を示す多形性の細胞からなっていた。これらの腫瘍細胞は免疫組織化学的に平滑筋分化の傾向を示した。...

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Published inDōbutsu no junkanki Vol. 36; no. 2; pp. 110 - 116
Main Authors 町田, 登, 星, 克一郎, 田中, 綾, 山根, 義久, 勝田, 新一郎, 三森, 国敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医循環器学会 2003
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Summary:右心不全により死亡した9歳の犬の三尖弁に心臓粘液肉腫の発生がみられた。剖検では, 三尖弁中隔尖に付着した卵円形の腫瘤は5.5×3×2.5cmの大きさで, 右心房と右心室を占拠していた。腫瘤の割面は灰白色, 黄色, 赤色などさまざまで, 広範な壊死・出血領域を伴っていた。組織学的には, 酸性粘液多糖類に富んだ無定形ないし細線維状の粘液様基質と, 核内に豊富なクロマチンを有し旺盛な増殖活性を示す多形性の細胞からなっていた。これらの腫瘍細胞は免疫組織化学的に平滑筋分化の傾向を示した。
Bibliography:ZZ00011639
691152
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.36.110