大量の煮物における煮汁の対流についての研究

集団給食の調理では, 煮物をする機会が著しく多いのにもかかわらず, 煮物に際して煮汁の熱による対流についての測定値はほとんど発表されていない。また一方, 煮くずれの原因の一つは, 食品の浸透圧とも関係すると思われるが, この測定値も見られない。本報告は, これらについての実験の結果を述べた。 1. 真水から3%のでん粉溶液までの間では, 液の粘度の上昇にもかかわらず, 熱の対流に著しい差は見られなかった。 2. 煮汁中に, 固形物が入っている場合にも対流は阻止されなかった。 3. 蓋の効果として, 蓋と液面との間の空間は, 液の上層の温度とほぼ等しくなることがわかった。...

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Published inEiyōgaku zasshi Vol. 31; no. 4; pp. 145 - 151
Main Authors 斎藤, 貴美子, 高木, 和男, 片山, 喜美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 1973
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.31.145

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Summary:集団給食の調理では, 煮物をする機会が著しく多いのにもかかわらず, 煮物に際して煮汁の熱による対流についての測定値はほとんど発表されていない。また一方, 煮くずれの原因の一つは, 食品の浸透圧とも関係すると思われるが, この測定値も見られない。本報告は, これらについての実験の結果を述べた。 1. 真水から3%のでん粉溶液までの間では, 液の粘度の上昇にもかかわらず, 熱の対流に著しい差は見られなかった。 2. 煮汁中に, 固形物が入っている場合にも対流は阻止されなかった。 3. 蓋の効果として, 蓋と液面との間の空間は, 液の上層の温度とほぼ等しくなることがわかった。
Bibliography:82781
ZZ00014766
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.31.145