燻液の変異原性について

六つの手作り燻液と五つの市販燻液の変異原性を Ames 試験で試験した. 手作り燻液はTA100に対し変異原性を示し, その活性はS9mixによる代謝活性化によって弱あられた. 一方TA98に対してはS9mix存在下でのみ変異原性を示した. 市販燻液はS9mixが存在しない場合のみ変異原性を示したが, その変異原活性は燻液の濃度に依存しており, 弱かった. 市販燻液の菌に対する毒性は, 減圧下で揮発性成分を除くことによって減少し, 変異原活性が明らかに観察されるようになった. またDNA損傷活性を Rec-assay で試験し, すべての燻液で活性が観察された. 市販燻液をジエチルエーテルで分...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 33; no. 6; pp. 533 - 538_1
Main Authors 中間, 昭彦, 清水, 充, 藤田, 忠雄, 黒田, 孝一, 森田, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 1992
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Summary:六つの手作り燻液と五つの市販燻液の変異原性を Ames 試験で試験した. 手作り燻液はTA100に対し変異原性を示し, その活性はS9mixによる代謝活性化によって弱あられた. 一方TA98に対してはS9mix存在下でのみ変異原性を示した. 市販燻液はS9mixが存在しない場合のみ変異原性を示したが, その変異原活性は燻液の濃度に依存しており, 弱かった. 市販燻液の菌に対する毒性は, 減圧下で揮発性成分を除くことによって減少し, 変異原活性が明らかに観察されるようになった. またDNA損傷活性を Rec-assay で試験し, すべての燻液で活性が観察された. 市販燻液をジエチルエーテルで分画した結果, 水層及びエーテル層のいずれも変異原活性を示し, さらにエーテル層はS9mixによってその活性が弱められることが観察された. これらより少なくとも二つの変異原が燻液中に存在することが示された.
Bibliography:480252
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.33.533