ラットの糞便排泄に及ぼすハイアミロースコーンスターチ摂取の影響

本試験ではHASの糞便量および排便促進に及ぼす影響について検討した。その結果, HASは摂取量に応じて糞便の個数, 重量および体積を増加させたが, CS飼料群に比べ有意な増加を示したのは20%HAS飼料からであった。5-20%HAS飼料群の盲腸内容物重量はCS飼料群に比べ有意に高い値を示したが, 糞中へのスターチ排泄量に有意な増加が認められたのは10-20%HAS飼料群においてであった。20%HAS飼料群ではCS飼料群に比べ有意に高い糞便乾燥重量および糞中窒素排泄量を示し, 糞中ジアミノピメリン酸排泄量も高くなる傾向が認められた。HAS飼料群 (5-20%) の盲腸内総SCFA量はCS飼料群に...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 52; no. 5; pp. 263 - 270
Main Authors 笠岡, 誠一, 桐山, 修八, 大橋, 晃, 森田, 達也, 猪飼, 利圭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 10.10.1999
日本栄養・食糧学会
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.52.263

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Summary:本試験ではHASの糞便量および排便促進に及ぼす影響について検討した。その結果, HASは摂取量に応じて糞便の個数, 重量および体積を増加させたが, CS飼料群に比べ有意な増加を示したのは20%HAS飼料からであった。5-20%HAS飼料群の盲腸内容物重量はCS飼料群に比べ有意に高い値を示したが, 糞中へのスターチ排泄量に有意な増加が認められたのは10-20%HAS飼料群においてであった。20%HAS飼料群ではCS飼料群に比べ有意に高い糞便乾燥重量および糞中窒素排泄量を示し, 糞中ジアミノピメリン酸排泄量も高くなる傾向が認められた。HAS飼料群 (5-20%) の盲腸内総SCFA量はCS飼料群に比べ有意に高い値を示したが, 20%HAS飼料群では総SCFA量を越える量のコハク酸が検出された。20%HAS飼料群の糞便中水分含量はCS飼料群に比べ有意に高い値を示し, HAS飼料群の消化管内通過時間は短縮する傾向を示した。以上の結果から, HASの糞便重量増加および排便促進効果はおだやかであり, 比較的大量に摂取したときにのみ発現するものと考えられる。また, これらの効果は主に発酵によって生成したコハク酸による大腸内水分量の増大に基づくものであり, さらに菌体増加による大腸内容物のカサの増大も一部関与していると考えられた。
Bibliography:600629
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.52.263