包装食品内の大腸菌増殖に関するモデル比較

前回,パウチ食品(マッシュポテト)内での大腸菌増殖を調べ,私たちの開発した新ロジスティックモデルを用いて解析した.今回はこの増殖挙動を,本モデルと国際的によく使われているバラニーモデルおよび改変ゴンペルツモデルが,高い精度で表せるかを比較した.その結果,定常温度下では3モデルとも,特に本モデルとバラニーモデルは実測値とよく一致した.変動温度では本モデルが高い精度で予測できたのに対し,バラニーモデルでは大きく実測値を逸脱した.しかも,このモデルは解析方法によって得られた増殖曲線が異なった.今回の結果から,新ロジスティックモデルがパウチ食品中の細菌増殖予測に有効な手段となりうることが示された....

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 47; no. 3; pp. 115 - 118
Main Authors 諸角, 聖, 矢野, 一好, 藤川, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2006
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.47.115

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Summary:前回,パウチ食品(マッシュポテト)内での大腸菌増殖を調べ,私たちの開発した新ロジスティックモデルを用いて解析した.今回はこの増殖挙動を,本モデルと国際的によく使われているバラニーモデルおよび改変ゴンペルツモデルが,高い精度で表せるかを比較した.その結果,定常温度下では3モデルとも,特に本モデルとバラニーモデルは実測値とよく一致した.変動温度では本モデルが高い精度で予測できたのに対し,バラニーモデルでは大きく実測値を逸脱した.しかも,このモデルは解析方法によって得られた増殖曲線が異なった.今回の結果から,新ロジスティックモデルがパウチ食品中の細菌増殖予測に有効な手段となりうることが示された.
Bibliography:730673
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.47.115