脂質代謝制御の分子食品科学研究(平成25年度日本栄養・食糧学会学会賞受賞)
「要旨」: 脂質代謝異常に起因すると考えられる生活習慣病の予防, 改善に寄与する食品成分の探索を行った. 脂質代謝制御において重要な働きをする生体内機能分子を定め, これら分子の機能, 活性を変動させ得る食品成分を, 分子細胞生物学的手法を駆使して樹立した評価系を用いて評価した. その際に機能分子として, 核内受容体, 転写因子, 受容体を設定し解析を行った. また, 入手可能な市販食品由来化合物を多数集めた食品成分ライブラリーを構築し, これらの活性を追跡した. 結果として, 機能性食品化合物の作用点が標的分子を介したことを明確にする特徴を持つ. 筆者らが見いだした機能性食品成分を列挙して解...
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Published in | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 66; no. 6; pp. 279 - 285 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養・食糧学会
10.12.2013
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ISSN | 0287-3516 |
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Summary: | 「要旨」: 脂質代謝異常に起因すると考えられる生活習慣病の予防, 改善に寄与する食品成分の探索を行った. 脂質代謝制御において重要な働きをする生体内機能分子を定め, これら分子の機能, 活性を変動させ得る食品成分を, 分子細胞生物学的手法を駆使して樹立した評価系を用いて評価した. その際に機能分子として, 核内受容体, 転写因子, 受容体を設定し解析を行った. また, 入手可能な市販食品由来化合物を多数集めた食品成分ライブラリーを構築し, これらの活性を追跡した. 結果として, 機能性食品化合物の作用点が標的分子を介したことを明確にする特徴を持つ. 筆者らが見いだした機能性食品成分を列挙して解説した. 平成19年の国民健康・栄養調査結果によると, メタボリックシンドローム患者数は予備群も含めるとおよそ2,000万人と推定されている. 本疾患は腹部肥満を元凶と定め, さらに糖尿病, 脂質異常症, 高血圧症のうち複数を持ち合わせている人を患者と診断する. |
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Bibliography: | 870514 ZZ00014795 |
ISSN: | 0287-3516 |