タイリクヒメハナカメムシの生殖休眠に及ぼす温度の影響

タイリクヒメハナカメムシの生殖休眠の誘起に及ぼす温度の影響を11L13Dおよび鹿児島県の秋(10月)~初春(2月)における自然日長条件下で調べた。11L13D条件下では温度が低いほど休眠率が高く,本種の生殖休眠は短日条件とともに低温によって促進されることが分った。また,11L13D条件下では本種の生殖休眠を誘起するのに必要な臨界温度は18℃付近であると推定された。10月~翌年2月の自然日長条件下では,22℃ではどの時期に育っても本種は休眠しなかった。18℃では11月(光周期12L12D~11L13D)と12月(光周期11L13D)に,20℃では11月に育つと休眠個体が多く出現することが示された...

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Published inKyūshū Byōgaichu Kenkyūkaihō Vol. 49; pp. 101 - 105
Main Authors 古林, 優子, 柿元, 一樹, 野田, 隆志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州病害虫研究会 2003
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Summary:タイリクヒメハナカメムシの生殖休眠の誘起に及ぼす温度の影響を11L13Dおよび鹿児島県の秋(10月)~初春(2月)における自然日長条件下で調べた。11L13D条件下では温度が低いほど休眠率が高く,本種の生殖休眠は短日条件とともに低温によって促進されることが分った。また,11L13D条件下では本種の生殖休眠を誘起するのに必要な臨界温度は18℃付近であると推定された。10月~翌年2月の自然日長条件下では,22℃ではどの時期に育っても本種は休眠しなかった。18℃では11月(光周期12L12D~11L13D)と12月(光周期11L13D)に,20℃では11月に育つと休眠個体が多く出現することが示された。光周期が11L13D一定の場合と自然日長条件下での実験結果の違いから,本種の休眠誘起には臨界日長および温度とともに,日長の変化も関与しているものと推察された。
Bibliography:682244
ZZ00014779
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.49.101