特別養護老人ホームの献立における日本食品標準成分表2015年版 (七訂) と2020年版 (八訂) の計算値の比較

「要旨」: 特別養護老人ホームで提供されている食事のエネルギーや各栄養素について, 日本食品標準成分表2015年版(七訂)と2020年版(八訂)により算出した値を比較し, 特別養護老人ホームの栄養管理における八訂の取り扱いについて検討することを目的とした. 対象は特別養護老人ホーム1施設の96日分の1日当たりの献立3食および間食とし, エネルギーおよび各栄養素を七訂と八訂により算出した. 1日の総エネルギーの平均値は七訂と比較して八訂では5.1%の減少となった. さらに, エネルギー産生栄養素の一つであるたんぱく質の平均値は, 窒素の量に基づいて算出される七訂のたんぱく質と比較して, アミノ酸...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 77; no. 3; pp. 195 - 201
Main Authors 山口範晃, 田丸淳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 10.06.2024
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Summary:「要旨」: 特別養護老人ホームで提供されている食事のエネルギーや各栄養素について, 日本食品標準成分表2015年版(七訂)と2020年版(八訂)により算出した値を比較し, 特別養護老人ホームの栄養管理における八訂の取り扱いについて検討することを目的とした. 対象は特別養護老人ホーム1施設の96日分の1日当たりの献立3食および間食とし, エネルギーおよび各栄養素を七訂と八訂により算出した. 1日の総エネルギーの平均値は七訂と比較して八訂では5.1%の減少となった. さらに, エネルギー産生栄養素の一つであるたんぱく質の平均値は, 窒素の量に基づいて算出される七訂のたんぱく質と比較して, アミノ酸組成に基づいて算出される八訂のたんぱく質では14.1%低く, 調査対象施設の給与栄養目標量に基づいて作成した献立では, たんぱく質は実際には目標量より低値で提供されている可能性が示唆された. 本研究は1施設の限定的な調査であり, 更に対象を広げた詳細な検証を必要とする.
Bibliography:951590
ZZ00014795
ISSN:0287-3516