ストール飼育妊娠豚における行動と生涯繁殖成績および唾液中コルチゾールの関連性に関する野外研究

この研究の目的は,ストール飼育の妊娠豚の産歴による行動の変化,行動と生涯繁殖成績の関連,偽咀嚼と唾液中コルチゾールの関係を調べることであった。300頭一貫経営を行っている生産農場を3年間で8回訪問した。毎回の訪問時にポイントサンプリングを使い,6時間を15分間隔で妊娠豚の姿勢行動と偽咀嚼を記録した。6時間25回の観察で,行動の観察された回数が割合として計算記録された。観察した1,570頭のうち,1,285頭が分娩し,427頭は淘汰された。最後の2回の農場訪問で,偽咀嚼の割合で,偽咀嚼群と偽咀嚼多数群の2群に分けられた。そして2群の妊娠豚から唾液が採取され,唾液サンプルは放射線免疫法キットでコル...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapan society of veterinary epidemiology Vol. 12; no. 2; pp. 99 - 104
Main Authors 関口, 知典, 纐纈, 雄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 獣医疫学会 2008
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:この研究の目的は,ストール飼育の妊娠豚の産歴による行動の変化,行動と生涯繁殖成績の関連,偽咀嚼と唾液中コルチゾールの関係を調べることであった。300頭一貫経営を行っている生産農場を3年間で8回訪問した。毎回の訪問時にポイントサンプリングを使い,6時間を15分間隔で妊娠豚の姿勢行動と偽咀嚼を記録した。6時間25回の観察で,行動の観察された回数が割合として計算記録された。観察した1,570頭のうち,1,285頭が分娩し,427頭は淘汰された。最後の2回の農場訪問で,偽咀嚼の割合で,偽咀嚼群と偽咀嚼多数群の2群に分けられた。そして2群の妊娠豚から唾液が採取され,唾液サンプルは放射線免疫法キットでコルチゾール濃度が測定された。連続する産歴での行動ごとの相関の分析には,ピアソン相関分析法を使用した。行動と生涯繁殖成績の関連は産歴ごとに分析した。産歴が0から3に上がると,偽咀嚼割合は8.14から13.1%に多くなった。産歴0から5まで,偽咀嚼は連続する産歴間で相関があった(P<0.05)。唾液中コルチゾール濃度は,2つの群での差はなかった。産歴4と5で,偽咀嚼の低い割合は,多い生涯平均の分娩時総子豚数と生存子豚数に関連があった(P<0.05)。
Bibliography:ZZ00015317
770906
ISSN:1343-2583
1881-2562
DOI:10.2743/jve.12.99