ニホンナシおよびウンシュウミカン幼果抽出液の抗酸化活性について

ニホンナシおよびウンシュウミカンの摘果幼果の有効利用を目的として, 幼果抽出液のポリフェノール (PP) 含量とその抗酸化活性について追究した。 ニホンナシ幼果中には, 新鮮果重100g当り, 全量として590mgのPPが検出さ礼そのうちクロロゲン酸類が165mg (全PPの28%), カテキン類が88mg (同15%) であり, 両者で全PPの40%以上を占めた。クロロゲン酸, カテキンなどのPP類は, 程度の差はあるがいずれもリノール酸の酸化に対して抗酸活化活性を示した。 ニホンナシ幼果抽出液は高い抗酸化活性を示し, クロロゲン酸として0.25mMの濃度で少なくとも50日間リノール酸の酸化...

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Published inFood preservation science Vol. 25; no. 3; pp. 99 - 104
Main Authors 隈本, みどり, 藤田, 修二, 山本, 周人, 石丸, 幹二, 尊田, 民喜, 林, 信行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食品保蔵科学会 01.05.1999
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ISSN1344-1213
2186-1277
DOI10.5891/jafps.25.99

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Summary:ニホンナシおよびウンシュウミカンの摘果幼果の有効利用を目的として, 幼果抽出液のポリフェノール (PP) 含量とその抗酸化活性について追究した。 ニホンナシ幼果中には, 新鮮果重100g当り, 全量として590mgのPPが検出さ礼そのうちクロロゲン酸類が165mg (全PPの28%), カテキン類が88mg (同15%) であり, 両者で全PPの40%以上を占めた。クロロゲン酸, カテキンなどのPP類は, 程度の差はあるがいずれもリノール酸の酸化に対して抗酸活化活性を示した。 ニホンナシ幼果抽出液は高い抗酸化活性を示し, クロロゲン酸として0.25mMの濃度で少なくとも50日間リノール酸の酸化をほぼ完全に抑制した。また, ウンシュウミカン幼果の抽出液も多量のPPを含み, ニホンナシ幼果と同様に抗酸化活性を示すことが認められた。 以上の結果から, ニホンナシ及びウンシュウミカン幼果に含まれる抗酸化物質の本体はカテキン類やクPロゲン酸類等のPPであることが示唆された。これらの結果はニホンナシおよびウンシュウミカンの摘果幼果が天然の抗酸化剤の原料として有効利用できることを示唆する。
Bibliography:591942
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.25.99