愛玉子ゲルの物性

愛玉子ゲルの特性を明らかにするために,テクスチュアー・クリープの測定,離漿水量ならびに離漿液に含まれるガラクチュロン酸・カルシウムの量の測定を,経時的に行った. (1) 愛玉子ゲルのテクスチュアー特性値は,いずれも粘質物抽出直後のゲル化と同時に極大値を示した.又,離漿水が多量に放出された後,再び高い値を示した. (2) クリープ曲線より歪(%)について検討したところ,離漿開始時に,フック弾性体の歪は最大となり,一方,フォークト粘弾性体・ニュートン粘性体・塑弾性体の歪は最小となった.又,塑弾性による歪が非常に大きい事が特徴的であった. (3) 愛玉子ゲルの離漿の開始の速さ,および離水の速度は,ゲ...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 38; no. 1; pp. 27 - 32
Main Authors 倉田, 澄子, 福場, 博保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.01.1991
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.38.27

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Summary:愛玉子ゲルの特性を明らかにするために,テクスチュアー・クリープの測定,離漿水量ならびに離漿液に含まれるガラクチュロン酸・カルシウムの量の測定を,経時的に行った. (1) 愛玉子ゲルのテクスチュアー特性値は,いずれも粘質物抽出直後のゲル化と同時に極大値を示した.又,離漿水が多量に放出された後,再び高い値を示した. (2) クリープ曲線より歪(%)について検討したところ,離漿開始時に,フック弾性体の歪は最大となり,一方,フォークト粘弾性体・ニュートン粘性体・塑弾性体の歪は最小となった.又,塑弾性による歪が非常に大きい事が特徴的であった. (3) 愛玉子ゲルの離漿の開始の速さ,および離水の速度は,ゲル化物質の濃度により異なるが,放置時間2時間前後から,液の放出が著しかった.又,6時間放置でゾルとなった.又,愛玉子ゲルの離漿液には,低メトキシペクチンのそれと比べ,水分含量が多く,ゲル形成に関与するガラクチュロン酸やカルシウム含量は少なかった.
Bibliography:ZZ20000202
421962
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.38.27