小麦粉生地形成に及ぼす小麦粉内在トランスグルタミナーゼの影響

小麦粉中よりGase活性の検索を行ったところ、タンパク質量の高い小麦粉ほど高いGase活性が検出され、従来タンパク質量と加工特性との間に相関があるとされてきたが、新たにGase活性と加工特性との間に関連がみられた。また、グリアジンおよびグルテニンへの作用性を検討したところ、ジスルフィド結合によらない高分化がみられ、Gaseによるイソペプチド結合の形成が確認された。小麦粉生地物性に与える小麦粉由来Gaseの影響を解析したところ、Gase添加によって、破断強度および破断距離は増加し、Gaseが生地物性に影響を及ぼすことが確認された。また、製パンへの作用について検討を行ったところ、いずれの小麦粉にお...

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Published inFood preservation science Vol. 30; no. 1; pp. 3 - 7
Main Authors 野口, 智弘, 長岡, 卓, 首藤, 里津子, 髙野, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.01.2004
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Summary:小麦粉中よりGase活性の検索を行ったところ、タンパク質量の高い小麦粉ほど高いGase活性が検出され、従来タンパク質量と加工特性との間に相関があるとされてきたが、新たにGase活性と加工特性との間に関連がみられた。また、グリアジンおよびグルテニンへの作用性を検討したところ、ジスルフィド結合によらない高分化がみられ、Gaseによるイソペプチド結合の形成が確認された。小麦粉生地物性に与える小麦粉由来Gaseの影響を解析したところ、Gase添加によって、破断強度および破断距離は増加し、Gaseが生地物性に影響を及ぼすことが確認された。また、製パンへの作用について検討を行ったところ、いずれの小麦粉においてもGaseの作用によって、発酵体積および焼成体積ならびに硬さは増加したが、内相のキメは粗くなり製パン性改善効果に問題が残った。そこで、グリアジンおよびグルテニンを添加し、Gaseと併用したところ、焼成体積および硬さは増加し、内相のキメも細かくなり、製パン性の改善効果がみられ。SHやASWを用いてもDNS同等のパンを製造可能であることが明らかになった。
Bibliography:690220
ZZ00016464
ISSN:1344-1213
DOI:10.5891/jafps.30.3