ラット子宮液,血清,初乳及び腸管液の蛋白質成分に関する比較検討

本研究では,子宮液,血清,乳清および腸管液中の蛋白質を物理化学的あるいは免疫化学に検討し,子宮液と他の外分泌液の蛋白質との間の異同を明らかにした。 ゲル炉過およびSDS gel電気泳動と免疫電気泳動により,それぞれの分泌液の蛋白質成分を明らかにし,immunoglobulinの存在とそれらのおおよその比率についての比較あるいは外分泌液の蛋白質の特異性について示した。乳清,子宮液および腸管液の蛋白質組成には血清蛋白質と共通した部分が認められるが,共通部分は乳清に最も多く,子宮液,腸管液の順であった。 免疫化学的分析によれば,血清に存在しない子宮液蛋白質の8成分のうち2成分は乳清および腸管液の蛋白...

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Published inJapanese journal of animal reproduction Vol. 22; no. 4; pp. 145 - 149
Main Authors 竹内, 三郎, 長谷川, 喜久, 菅原, 七郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 01.02.1977
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ISSN0453-0551
DOI10.1262/jrd1955.22.145

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Summary:本研究では,子宮液,血清,乳清および腸管液中の蛋白質を物理化学的あるいは免疫化学に検討し,子宮液と他の外分泌液の蛋白質との間の異同を明らかにした。 ゲル炉過およびSDS gel電気泳動と免疫電気泳動により,それぞれの分泌液の蛋白質成分を明らかにし,immunoglobulinの存在とそれらのおおよその比率についての比較あるいは外分泌液の蛋白質の特異性について示した。乳清,子宮液および腸管液の蛋白質組成には血清蛋白質と共通した部分が認められるが,共通部分は乳清に最も多く,子宮液,腸管液の順であった。 免疫化学的分析によれば,血清に存在しない子宮液蛋白質の8成分のうち2成分は乳清および腸管液の蛋白質と共通であった。 以上の結果から,子宮液の蛋白質は,血清に見られない蛋白質成分の一部は他の外分泌液と共通であり他の大部分は子宮液に特異的であると推定される。
Bibliography:143762
ZZ00021435
ISSN:0453-0551
DOI:10.1262/jrd1955.22.145