実用的なカイコの人工飼料の開発 III. 人工飼料育蚕幼虫体液の核酸関連物質および遊離アミノ酸の分析
人工飼料育蚕と桑葉育蚕の5齢3月目, 5日目ならびに7日目の幼虫体液について, 遊離核酸塩基, 遊離ヌクレオシドおよび遊離アミノ酸を定量して次の結果を得た。 1. 遊離核酸塩基と遊離ヌクレオシド全量ならびに個々の遊離核酸塩基, 遊離ヌクレオシドともに人工飼料育蚕と桑葉育蚕では定量値は大きく異っており, 特に, guanine, guanosine, adenine, adenosine, uracil および uridine に大きな差が見られた。 2. 遊離アミノ酸全量の定量値は5齢各時期とも人工飼料育と桑葉育で差が無かった。人工飼料育では Orn の濃度が異常に高く (桑葉育の3~5倍),...
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Published in | Nihon sanshigaku zasshi Vol. 46; no. 6; pp. 469 - 474 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本蚕糸学会
28.12.1977
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ISSN | 0037-2455 1884-796X |
DOI | 10.11416/kontyushigen1930.46.469 |
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Summary: | 人工飼料育蚕と桑葉育蚕の5齢3月目, 5日目ならびに7日目の幼虫体液について, 遊離核酸塩基, 遊離ヌクレオシドおよび遊離アミノ酸を定量して次の結果を得た。 1. 遊離核酸塩基と遊離ヌクレオシド全量ならびに個々の遊離核酸塩基, 遊離ヌクレオシドともに人工飼料育蚕と桑葉育蚕では定量値は大きく異っており, 特に, guanine, guanosine, adenine, adenosine, uracil および uridine に大きな差が見られた。 2. 遊離アミノ酸全量の定量値は5齢各時期とも人工飼料育と桑葉育で差が無かった。人工飼料育では Orn の濃度が異常に高く (桑葉育の3~5倍), 必須アミノ酸の合計量と Gly, Thr, Pro, Ser, Tyr の合計量がかなり少ないことが認められた。これらの結果は井口の準合成飼料育での分析結果とよく似ていた。 3. 以上の結果から人工飼料育蚕では核酸およびアミノ酸代謝に異常があり, ひいては絹糸蛋白合成が桑葉育より不活発であろうと推察される。 |
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Bibliography: | 161991 ZZ00018606 |
ISSN: | 0037-2455 1884-796X |
DOI: | 10.11416/kontyushigen1930.46.469 |