市販冷凍野菜中からのプラスチック酸化防止剤トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos 168)およびその酸化物の検出

市販冷凍野菜中に残留する有機リン系農薬をGC-FPDで分析したところ,2つの未知ピーク(以下ピークA, B)が検出された.GC/MSで測定したところ,このピークAはトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos 168, 以下Irg)と同定された.さらに,Irg 標準品を酸化して得た Irg 酸化物(以下OIrg)を用いて確認を行ったところ,ピークBはOIrgと同定された.Irgはプラスチックなどに酸化防止剤として使用されている物質で,食品からの検出例はなかった.そこで,野菜の冷凍食品38検体を分析したところ4検体からIrgおよびOIrgが(0.02~0.80 μg/g)...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 44; no. 4; pp. 181 - 185
Main Authors 桐ヶ谷, 忠司, 高橋, 京子, 長岡, 登, 田中, 康夫, 中澤, 裕之, 笹尾, 忠由, 細井, 志郎, 河村, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2003
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.44.181

Cover

More Information
Summary:市販冷凍野菜中に残留する有機リン系農薬をGC-FPDで分析したところ,2つの未知ピーク(以下ピークA, B)が検出された.GC/MSで測定したところ,このピークAはトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos 168, 以下Irg)と同定された.さらに,Irg 標準品を酸化して得た Irg 酸化物(以下OIrg)を用いて確認を行ったところ,ピークBはOIrgと同定された.Irgはプラスチックなどに酸化防止剤として使用されている物質で,食品からの検出例はなかった.そこで,野菜の冷凍食品38検体を分析したところ4検体からIrgおよびOIrgが(0.02~0.80 μg/g)検出された.
Bibliography:680185
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.44.181