イチョウ (Ginkgo biloba L.) の着粒に対する受粉の必要性と受粉適期について
イチョウ胚珠の着粒に対する受粉の必要性と受粉時期が着粒率に及ぼす影響を調査した.1. 寒天培地上でイチョウ花粉の発芽試験を行ったところ, 置床後3日目に花粉管の伸長が始まった.室温で保存した花粉は, 開葯後5日目までは73%以上が肥大あるいは発芽した.しかしながら, 7日間以上室温で保存した花粉の肥大, 伸長は確認できなかった.2. 雄花の開葯前に胚珠に袋掛けを行って, 花粉を遮断すると, すべての胚珠が落粒した.放任区においては, 展葉後28日目から41日目にかけて, 未受粉と思われる胚珠の落粒が進み, さらに展葉後75日目から82日目にかけて2次落粒が観察されたが, 最終着粒率は90%とな...
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Published in | Engei Gakkai zasshi Vol. 67; no. 5; pp. 753 - 758 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 園芸学会
01.09.1998
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Summary: | イチョウ胚珠の着粒に対する受粉の必要性と受粉時期が着粒率に及ぼす影響を調査した.1. 寒天培地上でイチョウ花粉の発芽試験を行ったところ, 置床後3日目に花粉管の伸長が始まった.室温で保存した花粉は, 開葯後5日目までは73%以上が肥大あるいは発芽した.しかしながら, 7日間以上室温で保存した花粉の肥大, 伸長は確認できなかった.2. 雄花の開葯前に胚珠に袋掛けを行って, 花粉を遮断すると, すべての胚珠が落粒した.放任区においては, 展葉後28日目から41日目にかけて, 未受粉と思われる胚珠の落粒が進み, さらに展葉後75日目から82日目にかけて2次落粒が観察されたが, 最終着粒率は90%となった.3. 80℃で24時間熱処理を行った花粉を用い受粉処理を行ったところ, 展葉後28日目から落粒が始まり, 47日目の着粒率は19%であり, 最終着粒率は7%となった.本処理によって得られた種子中には胚の存在は認められなかった.その種子と殻果は放任区に比べて大きかった.4. 展葉後16日目に人工受粉を行うと, その最終着粒率は59%で放任区よりも低く, 得られた種子, 殻果は放任区よりも有意に大きかった.展葉後19日目に人工受粉した場合には, 終着粒率は放任区よりも2%高くなり, 展葉後23日目の人工受粉ではすべての胚珠が落粒した. |
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Bibliography: | 580115 ZZ00015006 |
ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
DOI: | 10.2503/jjshs.67.753 |