ウシおよびヒト精漿ホスホリパーゼA活性と精液性状

ウシおよびヒトの精漿ホスホリパーゼA活性と精液性状との関係について検討を加えた。ウシ精漿では19例(19頭)全てに,ヒト精漿(無精子症患者および精管結紮処置者のものを除く)では50例(50人)中27例(54.0%)に本活性が検出された。ウシおよびヒトともに,精漿中の本活性と精液量,精子濃度および精液のpHとの間には有意の相関は認められなかった。しかしながら,ヒトで本活性と運動精子率の間に有意の相関(P<0.05)が認められた。一方,ヒト無精子症患者より得た精漿について4例(4人)中2例に,ヒト精管結紮処置者より得た精漿については3例(3人)全てに本活性が検出された。以上の結果は精漿のホス...

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Published inKachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) Vol. 35; no. 3; pp. 169 - 172
Main Authors 渡辺, 伸也, 前原, 郁夫, 遠藤, 敏明, 桝田, 博司, 折笠, 精一, 正木, 淳二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 25.09.1989
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Summary:ウシおよびヒトの精漿ホスホリパーゼA活性と精液性状との関係について検討を加えた。ウシ精漿では19例(19頭)全てに,ヒト精漿(無精子症患者および精管結紮処置者のものを除く)では50例(50人)中27例(54.0%)に本活性が検出された。ウシおよびヒトともに,精漿中の本活性と精液量,精子濃度および精液のpHとの間には有意の相関は認められなかった。しかしながら,ヒトで本活性と運動精子率の間に有意の相関(P<0.05)が認められた。一方,ヒト無精子症患者より得た精漿について4例(4人)中2例に,ヒト精管結紮処置者より得た精漿については3例(3人)全てに本活性が検出された。以上の結果は精漿のホスホリパーゼA活性と精液性状の間には密接な関係がないことおよび本活性が副生殖腺分泌液に含まれることを示唆している。
Bibliography:441883
ZZ00021434
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.35.169