キタマクラ (Canthigaster rivulata) 中のテトロドトキシン (TTX), および麻痺性貝毒 (PSTs) の含有量と組成について

和歌山県紀州灘沿岸部で採取されたキタマクラ2試料を, 皮, 筋肉, 内臓に分割し, 各組織におけるテトロドトキシン(TTX), および麻痺性貝毒(PSTs)の含有量について調査した. TTXおよびPSTsが, 定量下限以上で検出された部位は, 皮のみであり, 筋肉および内臓では, 検出限界未満(ND)または検出限界以上定量下限界未満(tr)であった. 定量下限以上で検出されたPSTsは, サキシトキシン, およびデカルバモイルサキシトキシンの2成分のみであった. 両試料における皮中TTXの含有量は11,000および13,000ng/g(35および41nmol/g)で, PSTsの含有量は168...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 57; no. 2; pp. 51 - 57
Main Authors 仲谷正, 清水充, 山野哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品衛生学会 01.04.2016
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ISSN0015-6426

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Summary:和歌山県紀州灘沿岸部で採取されたキタマクラ2試料を, 皮, 筋肉, 内臓に分割し, 各組織におけるテトロドトキシン(TTX), および麻痺性貝毒(PSTs)の含有量について調査した. TTXおよびPSTsが, 定量下限以上で検出された部位は, 皮のみであり, 筋肉および内臓では, 検出限界未満(ND)または検出限界以上定量下限界未満(tr)であった. 定量下限以上で検出されたPSTsは, サキシトキシン, およびデカルバモイルサキシトキシンの2成分のみであった. 両試料における皮中TTXの含有量は11,000および13,000ng/g(35および41nmol/g)で, PSTsの含有量は168および460ng/g(0.63および1.72nmol/g)であった. また全毒量(TTX+PSTs)に対するTTXおよびPSTsのモル比(mol%)は, TTXで98.2および96.0%あり, PSTsで1.8および4.0%であった. キタマクラの毒の主成分は, TTXであるが, 微量のPSTsも含有していることが, 今回の調査結果よりわかった.
Bibliography:ZZ00009680
902479
ISSN:0015-6426