カンキツ類の三倍体品種の育成 (第1報) ウンシュウミカンと四倍体ポンカンの交雑による雑種三倍体の作出

優良な形質をもつ多胚性二倍体品種を三倍体品種育成の育種母本として活用するため, ウンシュウミカンを種子親に用い, 四倍体'中野3号ポンカン'を花粉親とした交雑による三倍体の作出を試みた. 種子親に用いた4品種のうち, 三倍性胚は比較的胚数の少ない3品種で得られ, '大津四号'では不完全種子および完全種子, また, '青島'と'今村'では不完全種子から得られた. 三倍性胚の1果当りの出現率は'青島'が最も高かった. また, 1種子当りの三倍性胚の出現率は, 完全種子よりも不完全種子で高く, 不完全...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 66; no. 1; pp. 9 - 14
Main Authors 金好, 純子, 加納, 徹治, 桑田, 祐二, 平尾, 晃, 中谷, 宗一, 小林, 省藏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 園芸学会 01.06.1997
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Summary:優良な形質をもつ多胚性二倍体品種を三倍体品種育成の育種母本として活用するため, ウンシュウミカンを種子親に用い, 四倍体'中野3号ポンカン'を花粉親とした交雑による三倍体の作出を試みた. 種子親に用いた4品種のうち, 三倍性胚は比較的胚数の少ない3品種で得られ, '大津四号'では不完全種子および完全種子, また, '青島'と'今村'では不完全種子から得られた. 三倍性胚の1果当りの出現率は'青島'が最も高かった. また, 1種子当りの三倍性胚の出現率は, 完全種子よりも不完全種子で高く, 不完全種子中の胚を培養することにより, 高率で三倍体実生が得られた. また, '大津四号', '青島'の完全種子からは四倍体実生も得られた. RAPD分析の結果, 三倍性体実生はすべて雑種であり, 四倍体実生は雑種あるいは自然同質四倍体であった. 1種子中に存在した2個の倍数性胚由来の実生は同じバンディングパターンを示し, 1つの受精胚から発生したクローンであると考えられた.
Bibliography:560078
ZZ00015006
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.66.9