信州大学農学部附属AFC手良沢山演習林における最近10年間の鳥類相について

本報では,信州大学農学部附属AFC手良沢山演習林における最近10年間(2004~2013年度)の鳥類調査データを概説する。調査は,同一ルート,同一調査者によるラインセンサス法で実施した。年間の調査頻度は,繁殖期2回(落葉広葉樹の展葉前と展葉後),越冬期2回(積雪の前と後)の計4回とした。その結果,22科50種の鳥類が確認され,内訳は留鳥26種,夏鳥14種,冬鳥10種であった。常在度の高い鳥類は,ミソサザイ,カラ類(シジュウカラ,ヤマガラ,コガラなど),エナガ,ヒヨドリ,カケスなどであった。前半5年間(x)と後半5年間(y)に大別して種ごとのデータを比較すると,両者の関係は出現頻度,確認個体数と...

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Published in信州大学農学部AFC報告 no. 12; pp. 107 - 114
Main Author 荒瀬, 輝夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.03.2014
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Summary:本報では,信州大学農学部附属AFC手良沢山演習林における最近10年間(2004~2013年度)の鳥類調査データを概説する。調査は,同一ルート,同一調査者によるラインセンサス法で実施した。年間の調査頻度は,繁殖期2回(落葉広葉樹の展葉前と展葉後),越冬期2回(積雪の前と後)の計4回とした。その結果,22科50種の鳥類が確認され,内訳は留鳥26種,夏鳥14種,冬鳥10種であった。常在度の高い鳥類は,ミソサザイ,カラ類(シジュウカラ,ヤマガラ,コガラなど),エナガ,ヒヨドリ,カケスなどであった。前半5年間(x)と後半5年間(y)に大別して種ごとのデータを比較すると,両者の関係は出現頻度,確認個体数ともy=xに近い回帰直線となり,R2>0.8と高度に有意であった。回帰直線からの乖離で判断すると,ガビチョウ(2009年に新規参入)やエナガの増加が目立つ一方,センダイムシクイ,クロツグミ,ハシボソガラス,シジュウカラなどの減少が目立った。手良沢山演習林全体の植生環境を踏まえ,鳥類相とその変化について検討を加えた。
Bibliography:ZZ20010647
872134
ISSN:1348-7892