マメ科牧草リビングマルチ条件下で栽培したスィートコーンの生育及び収量

マメ科牧草のアルファルファ、アカクローバ、シロクローバをリビングマルチとして利用し、除草剤を用いずに不耕起栽培したスィートコーンの生育、収量と雑草の発生状況を2ヶ年にわたって調査した。1998年、1999年とも全てのリビングマルチ区で雑草の発生は顕著に抑制された。しかし、スィートコーンの収量はリビングマルチ牧草の種類によって異なり、スィートコーンの株立ち率の高かったシロクローバリビングマルチ区(WC区)では収量、品質とも慣行栽培区(CV区)と有意な差がなかったが、株立ち率の低かったアルファルファリビングマルチ区(AL区)では収量が著しく低かった。WC区のスィートコーン株立ち率が高かった原因は、...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese journal of crop science Vol. 71; no. 1; pp. 36 - 42
Main Authors 三浦, 重典, 渡邊, 好昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.03.2002
Online AccessGet full text
ISSN0011-1848

Cover

More Information
Summary:マメ科牧草のアルファルファ、アカクローバ、シロクローバをリビングマルチとして利用し、除草剤を用いずに不耕起栽培したスィートコーンの生育、収量と雑草の発生状況を2ヶ年にわたって調査した。1998年、1999年とも全てのリビングマルチ区で雑草の発生は顕著に抑制された。しかし、スィートコーンの収量はリビングマルチ牧草の種類によって異なり、スィートコーンの株立ち率の高かったシロクローバリビングマルチ区(WC区)では収量、品質とも慣行栽培区(CV区)と有意な差がなかったが、株立ち率の低かったアルファルファリビングマルチ区(AL区)では収量が著しく低かった。WC区のスィートコーン株立ち率が高かった原因は、シロクローバの草高が低く乾物生産量も少なかったため、出芽や初期生育においてシロクローバとの光や養分に対する競合が小さかったことによると推察された。また、株立ち以降もWC区ではシロクローバの草高が低く、シロクローバの窒素吸収量がスィートコーンの生育にともなって減少したことから、スィートコーンとシロクローバとの間に窒素や光に対する競合はほとんどなかったと推察された。これらのことから、シロクローバによるリビングマルチを利用することで除草剤を用いずにスィートコーンを栽培することが可能であると考えられた。
Bibliography:642244
ZZ00014890
ISSN:0011-1848