ケージ養豚に関する研究 VII ケージ養豚の収容体重と出荷体重に関する試験

ケージ養豚のケージ収容適体重を明らかにするため, ランドレース×大ヨークシャーを延30頭用いて, 収容体重を20kg・30kg・40kgの3区とし, 各個体が体重90kgに達するまで配合飼料を1日2回制限給与し, 春期・秋期の2回試験を行い, ケージ収容体重が発育や産肉性に及ぼす影響について比較検討した。その結果を要約すると次のとおりである。 (1) 発育成績は, 春期では体重30kgで収容したものが最もよく, 肥育所要日数は108.3日, 1日平均増体重は617.3g, 飼料要求率は3.10であった。また秋期では40kgで収容したものが最もよく, 次いで30kgで, 20kgは春期・秋期とも...

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Published in日本養豚研究会誌 Vol. 16; no. 2; pp. 118 - 126
Main Authors 五味, 一郎, 川上, 素行, 塩沢, 道雄, 久保田, 建御, 大沢, 保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本養豚学会 30.09.1979
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Summary:ケージ養豚のケージ収容適体重を明らかにするため, ランドレース×大ヨークシャーを延30頭用いて, 収容体重を20kg・30kg・40kgの3区とし, 各個体が体重90kgに達するまで配合飼料を1日2回制限給与し, 春期・秋期の2回試験を行い, ケージ収容体重が発育や産肉性に及ぼす影響について比較検討した。その結果を要約すると次のとおりである。 (1) 発育成績は, 春期では体重30kgで収容したものが最もよく, 肥育所要日数は108.3日, 1日平均増体重は617.3g, 飼料要求率は3.10であった。また秋期では40kgで収容したものが最もよく, 次いで30kgで, 20kgは春期・秋期ともに他の2区に比較して最も劣り, 発育に及ぼす影響が大きかった。 (2) と体成績は, と肉歩留や各部の長さ及び割合, 脂肪層の厚さなどいずれも季節別・区間とも有意な差はなく, 収容体重が産肉性に及ぼす影響は認められなかった。 (3) 発育やと体成績からみて, ケージ収容適体は30kg程度が適当と推察された。 ケージ肥育豚の出荷体重の適期を把握するため, ランドレース×大ヨークシャーを用いて養豚ケージで単飼とし, 市販肉豚用配合飼料を制限給与して, 体重30kgから仕上体重を90kg, 95kg, 100kgの3区に別けて発育及び産肉性について比較検討した。その結果を要約すると次のとおりである。 (1) 発育成績は, 肥育所要日数, 1日平均増体重とも90kg区が最も優れており, 次いで95kg・100kgの順であった。肥育所要日数は90kgが約90日で, 体重5kg増すごとに10日長く要した。 (2) 飼料摂取量は, 90kg区179.7kg, 95kg区201.8kg, 100kg区219.7kgで, 飼料要求率はそれぞれ3.00, 3.11, 3.13で90kg区が最も優れていた。 (3) と体成績について, 枝肉重量は90kg区が70kg以下で劣っていた。またと体長やロース断面積などでは有意な差はなかったが, 体重の大きいものほどややまさっていた。 (4) 背脂肪層の厚さ (平均) は, 100kg区が3.08cmで他の2区より若干薄く, 腹脂肪層の厚さ (平均) は90kg区が2.38cmで最も薄かった。 (5) 枝肉審査得点では, 一般外観は100kg区が78点で最も高く, 90kg区はと体長・しまり・各部の充実に欠けるなどで最も劣っていた。肉質や脂肪の品質は95kg区と100kg区ではともに80点で良好な成績を示した。
Bibliography:204753
ZZ20003255
ISSN:0388-8460
2186-2567
DOI:10.14899/youton1964.16.118