農産缶詰食品の品質指標に関する研究 (第2報)ハイドロキシメチルフルフラールを指標とするミカン缶詰の品質評価

ミカン缶詰の貯蔵中のカルボニル化合物の挙動と官能評価との関係について検討した。 (1) ミカン缶詰を長期間貯蔵しておくと,5-ハイドロキシメチルフルフラール(HMF)およびフルフラールの比率が増大し,3-deoxyglucosoneおよび3-deoxy-pentosoneの比率は漸減した。 (2) このうちHMFをウィンクラー法で定量したところ,明らかに貯蔵中に増大し,とくに貯蔵温度が高いとその生成は著量であった。 (3) 研究所パネルで官能評価を行なったところ,HMF量とパネルの評点との間にはかなり高い相関がみられた。 (4) HMF量が5mg%を越えるサンプルではパネルの評点も低下し,HM...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 21; no. 9; pp. 416 - 420
Main Authors 金子, 薫, 森, 光國
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 15.09.1974
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.21.416

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Summary:ミカン缶詰の貯蔵中のカルボニル化合物の挙動と官能評価との関係について検討した。 (1) ミカン缶詰を長期間貯蔵しておくと,5-ハイドロキシメチルフルフラール(HMF)およびフルフラールの比率が増大し,3-deoxyglucosoneおよび3-deoxy-pentosoneの比率は漸減した。 (2) このうちHMFをウィンクラー法で定量したところ,明らかに貯蔵中に増大し,とくに貯蔵温度が高いとその生成は著量であった。 (3) 研究所パネルで官能評価を行なったところ,HMF量とパネルの評点との間にはかなり高い相関がみられた。 (4) HMF量が5mg%を越えるサンプルではパネルの評点も低下し,HMF量が5mg%というレベルがミカン缶詰の品質を判定する際の指標になりうることが判明した。
Bibliography:ZZ20000202
100569
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.21.416