ケージ養豚に関する研究 IV. 肉豚のケージ飼育における飼料の栄養水準に関する試験

肉豚のケージ肥育に適する飼料の栄養水準を検討するため, 蛋白水準をほぼ一定 (DCP12.4~12.9) にして, TDN水準を64.4, 70, 74として, 発育, 飼料の利用性, と体成績について比較検討した。その結果を要約すると以下のごとくであった。 1. TDN64.4%飼料では, 発育が遅れ, と体成績もやや悪く, 不適であった。 2. TDN74.0%では, 増体や飼料要求率は, やや改善されるが, と体成績では, ロース面積, 背脂肪厚, 技肉格付けの面で, TDN70%より劣った。特に夏期に肥育するものについては, その差が大きかった。 3. 後期にTDN74%飼料を与えた場...

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Published in日本養豚研究会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 71 - 78
Main Authors 田中, 章人, 宮脇, 耕平, 大沢, 保, 川上, 素行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本養豚学会 31.07.1978
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Summary:肉豚のケージ肥育に適する飼料の栄養水準を検討するため, 蛋白水準をほぼ一定 (DCP12.4~12.9) にして, TDN水準を64.4, 70, 74として, 発育, 飼料の利用性, と体成績について比較検討した。その結果を要約すると以下のごとくであった。 1. TDN64.4%飼料では, 発育が遅れ, と体成績もやや悪く, 不適であった。 2. TDN74.0%では, 増体や飼料要求率は, やや改善されるが, と体成績では, ロース面積, 背脂肪厚, 技肉格付けの面で, TDN70%より劣った。特に夏期に肥育するものについては, その差が大きかった。 3. 後期にTDN74%飼料を与えた場合にも, と体成績の面で, TDN70%飼料より劣った。 4. TDN水準の多少による, 増体の多少は, ほぼ飼料中のTDN水準の差に比例した。 5. 飼料中のTDN水準を変えても, 1kg増体に要するTDN量については変りなかった。 6. これらの結果から, DCP12.4~12.9の場合, TDN水準は70%程度 (NR4.4) が最も良いものと思われた。また肥育の前期, 後期でTDN水準を変える必要はないものと思われた。
Bibliography:180556
ZZ20003255
ISSN:0388-8460
2186-2567
DOI:10.14899/youton1964.15.71