家畜精子の液状及び凍結保存に関する研究 I.カフェイン含有希釈液による豚保存精子の生存性及び受胎力

カフェイソ含有希釈液MC-14による6~7。C保存精子の生存性と受胎能力について検討し,以下の結果を得た。 1.MC-14にょる6~7°C保存精液は,カフェイン無添加の希釈液による15°C保存精液に比べてはるかに良好な精子生存性及び活力を長時間維持し,最長生存時間は519時間であった。 2.6~70°C保存精子の生存性に及ぼすカフェイソの適濃度は6~10mg%であった。 3.MC-14による保存精子は7,8日保存以内ではanabiosisを生じず,顕微鏡下における2~3分間の静置加温により速やかに活力を回復することを認め,7,8日間迄の精子活力検査においては精子活力回復のための加温振盈操作は不...

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Published inKachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) Vol. 23; no. 3; pp. 99 - 104
Main Authors 副島, 昭彦, 和出, 靖, 枡田, 博司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 30.09.1977
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ISSN0385-9932
DOI10.1262/jrd1977.23.99

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Summary:カフェイソ含有希釈液MC-14による6~7。C保存精子の生存性と受胎能力について検討し,以下の結果を得た。 1.MC-14にょる6~7°C保存精液は,カフェイン無添加の希釈液による15°C保存精液に比べてはるかに良好な精子生存性及び活力を長時間維持し,最長生存時間は519時間であった。 2.6~70°C保存精子の生存性に及ぼすカフェイソの適濃度は6~10mg%であった。 3.MC-14による保存精子は7,8日保存以内ではanabiosisを生じず,顕微鏡下における2~3分間の静置加温により速やかに活力を回復することを認め,7,8日間迄の精子活力検査においては精子活力回復のための加温振盈操作は不必要であった。 4.MC-14による6~70°C保存精子の受胎能力について,採取当日~5日保存精子を用い経産及び未経産豚140頭に授精して検討した結果,1発情授精で107頭が受胎し受胎率76.4%を得た。精液保存時間別による受胎率の検討では有意な差を認めなかった。 5.MC-14による受胎•分娩豚の産子数は,経産豚では1頭当たり平均産子数10.2頭,未経産豚では8.8頭で,正常な産子数であった。精液保存時間別の産子数は有意な差を認めなかった。 MC-14による豚精子の6~7°C低温保存は,精子生存性の維持と活力の回復,保存精液の授精による受胎率及び産子数などから,1~5日保存における精子のagingを抑制することを認めた。
Bibliography:161258
ZZ00021434
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.23.99