特集1 言語聴覚士のための臨床栄養 特集にあたって

超高齢社会となった本邦において, 言語聴覚士が関わる医療, 介護分野で注目されているのは, フレイル, オーラルフレイル, サルコペニア, サルコペニアの摂食嚥下障害を含むリハビリテーション栄養の領域である. これらの領域は過去10年程度の期間で急速に発展した. また, 1998年(平成10年)に制定された言語聴覚士養成所指導ガイドラインが2024年(令和6年)に改正され, 2025年(令和7年)4月の入学生から適用されることとなったが, このガイドラインでは専門基礎分野に栄養学が含まれることとなった(厚生労働省医政局, 2024). 栄養学は言語聴覚士にとって, より身近かつ必須の問題となっ...

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Published inディサースリア臨床研究 Vol. 14; no. 1; p. 2
Main Author 森隆志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ディサースリア臨床研究会 01.12.2024
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ISSN2186-7186

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Summary:超高齢社会となった本邦において, 言語聴覚士が関わる医療, 介護分野で注目されているのは, フレイル, オーラルフレイル, サルコペニア, サルコペニアの摂食嚥下障害を含むリハビリテーション栄養の領域である. これらの領域は過去10年程度の期間で急速に発展した. また, 1998年(平成10年)に制定された言語聴覚士養成所指導ガイドラインが2024年(令和6年)に改正され, 2025年(令和7年)4月の入学生から適用されることとなったが, このガイドラインでは専門基礎分野に栄養学が含まれることとなった(厚生労働省医政局, 2024). 栄養学は言語聴覚士にとって, より身近かつ必須の問題となった. こうした動きを受けて, 介護分野では栄養, 口腔, 嚥下のアセスメントが事実上必須となった. 2024年(令和6年)度診療報酬改定では, 「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」が新設され, 急性期の早期からの栄養サポートチームに関連する多職種の連携が求められるようになり(厚生労働省保険局医療課, 2024), 効果的なリハビリテーションを施行するためには適切な栄養管理が必要であることが示された, ディサースリアを含む, 言語聴覚士の関わる多くの分野でフレイル, サルコペニア, リハビリテーション栄養は必須の知識かつ対応すべき課題となったが, これらはチーム医療が必須の領域であり, その知識や技術は非常に幅広いものである. 本特集では近年, フレイル・サルコペニアの知識を包含するリハビリテーション栄養の領域をリードし発展させてきた宇野千晴先生, 吉村芳弘先生, 金久弥生先生, 清水昭雄先生, 小蔵要司先生(掲載順)を著者として招聘した. ここ10年の時代をリードした著者らによる本特集が読者の皆様に役立つものとなれば幸いである. 最後に, 本特集への執筆を快諾してくださり, 貴重な時間を割いてくださった著者の先生方に心より御礼申し上げます.
ISSN:2186-7186