1. 艦艇に長期滞在勤務となった海上自衛官の健康観と歯周病に関する研究

艦艇乗員はその任務および環境の性格上から一般社会に比べ, 時間に厳粛で規則正しい生活を過ごしており, そのため航海中における健康観は陸上勤務者と異なると思われる. これまでに, 全身と歯の健康観については関連があるとの報告もあるが, 航海中という特殊な環境における歯肉の健康と健康観との関連は報告されていない. そこで今回われわれは, 第48次南極地域観測協力に参加した20歳から53歳までの男性171名を対象に, 航海中の全身の健康観と歯肉の健康がどのように関連しているのかを明らかにするために調査を行った. 健康観はMedical Outcomes Study Short Form-20(MOS...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 58; no. 2; p. 139
Main Authors 浅岡誠, 坪井信二, 中垣晴男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 2008
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ISSN0023-2831

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Summary:艦艇乗員はその任務および環境の性格上から一般社会に比べ, 時間に厳粛で規則正しい生活を過ごしており, そのため航海中における健康観は陸上勤務者と異なると思われる. これまでに, 全身と歯の健康観については関連があるとの報告もあるが, 航海中という特殊な環境における歯肉の健康と健康観との関連は報告されていない. そこで今回われわれは, 第48次南極地域観測協力に参加した20歳から53歳までの男性171名を対象に, 航海中の全身の健康観と歯肉の健康がどのように関連しているのかを明らかにするために調査を行った. 健康観はMedical Outcomes Study Short Form-20(MOSSF-20), 歯肉の健康はCPIを用いた. その結果, MOS SF-20の6つのサブスケールのうち, 心の健康, 健康観および日常役割機能は出国前後に有意差が認められ, また歯肉の健康では出港時と帰国時でCPIの最高コードの割合に差が認められた. 航海前後で歯肉が健康に保たれる人は, 健康観が高まった人であった.
ISSN:0023-2831