I-28 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対するrigid instrumentationを用いない後方除圧椎体間固定例の検討

骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺に対して強固なinstrumentを用いずに後方除圧椎体間固定を行ったので報告する. 症例は6例で, 平均年齢76(69~86)歳, 経過観察期間24(5~55)ヵ月, 骨折部位はL2が2例, T12・L1・L4・L5が各1例であった. 手術方法は, 後方侵入で脊柱管内に突出した椎体後縁を切除し, 椎間板および軟骨板を切除, 得られた棘突起と椎弓を椎体間に移植した. RAの1例は腸骨片を移植した. 5例にはinstrumentは用いず, 1例に棘突起wiringを追加した. 後療法は1週間以内に歩行を許可し, 術後約4ヵ月間コルセットによる外固定を行った....

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 8; no. 1; p. 194
Main Authors 佐藤公昭, 安藤則行, 永田見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2002
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Summary:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺に対して強固なinstrumentを用いずに後方除圧椎体間固定を行ったので報告する. 症例は6例で, 平均年齢76(69~86)歳, 経過観察期間24(5~55)ヵ月, 骨折部位はL2が2例, T12・L1・L4・L5が各1例であった. 手術方法は, 後方侵入で脊柱管内に突出した椎体後縁を切除し, 椎間板および軟骨板を切除, 得られた棘突起と椎弓を椎体間に移植した. RAの1例は腸骨片を移植した. 5例にはinstrumentは用いず, 1例に棘突起wiringを追加した. 後療法は1週間以内に歩行を許可し, 術後約4ヵ月間コルセットによる外固定を行った. 術後症状が悪化した例はなく, 全例に部分的な症状の改善が得られ, 屋内でのADLは自立していた. 本法は, instrumentに起因する合併症がなく, 活動性の低下した高齢者に対して症例を選べば選択肢の1つとなり得る手術方法と考えられる.
ISSN:1345-9074