2 ペーシング治療を要する患者の簡易睡眠検査を用いた睡眠時無呼吸症候群の検討

睡眠時無呼吸症候群と心血管疾患との関連はこれまでに多数報告されている. 中でも長期間のペーシング療法を受けている患者で睡眠時無呼吸症候群の割合が多いことが報告されている(Circulation2007;115:1703-1709). 今回我々はペースメーカー治療を必要とする患者に対して簡易睡眠検査を行い, その臨床的特長について検討した. 患者は徐脈性不整脈によりペースメーカー治療を要する21歳から91歳までの21名. 男性12名, 女性9名. ペースメーカー適応疾患は房室ブロック10名, 洞不全症候群10名, 徐脈性心房細動1名. ペースメーカー埋め込み後の平均無呼吸低呼吸指数(AHI)は2...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 57; no. 5; p. 221
Main Authors 三枝達也, 小林かおり, 阿部直之, 篭島充, 渡辺徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2009
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Summary:睡眠時無呼吸症候群と心血管疾患との関連はこれまでに多数報告されている. 中でも長期間のペーシング療法を受けている患者で睡眠時無呼吸症候群の割合が多いことが報告されている(Circulation2007;115:1703-1709). 今回我々はペースメーカー治療を必要とする患者に対して簡易睡眠検査を行い, その臨床的特長について検討した. 患者は徐脈性不整脈によりペースメーカー治療を要する21歳から91歳までの21名. 男性12名, 女性9名. ペースメーカー適応疾患は房室ブロック10名, 洞不全症候群10名, 徐脈性心房細動1名. ペースメーカー埋め込み後の平均無呼吸低呼吸指数(AHI)は20.5, AHI5以上は18名(90%)と高値であった. full PSGを施行した9名の全てで閉塞型睡眠時無呼吸症候群であった. ペースメーカー埋め込み前に簡易睡眠検査を行った5名において, 埋め込み前の平均AHIは17.8, 埋め込み後は18.1であった. ペーシング療法を必要とする徐脈性不整脈の患者において, 睡眠時無呼吸症候群は高率に合併する傾向があり, 日常から積極的な検索を行う必要がある.
ISSN:0037-3826