1. 特徴的な画像所見を呈したCADASILの58歳女性例
2008年6月頃から記銘力低下が目立ち, また料理ができなくなり, 2009年5月には会話が成立しなくなった. 2010年2月に歩行障害が出現し2010年7月には歩行不能となった. MRIで側脳室周囲深部白質に高度の白質病変を認め8月に入院した. 高血圧, 糖尿病, 喫煙歴, 高脂血症はなく, 兄・父親とその兄弟・祖父母に脳梗塞と認知症の家族歴あり. HDS-Rは4点, 構成失行・失語を認めた. 脳神経に異常なく, 四肢の著明な痙縮, 腱反射亢進, 病的反射を認めた. 血液検査・髄液検査に明らかな異常なく, MRI T2WI・FLAIR像で両側前側頭極, 深部白質のびまん性高信号域と基底核,...
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Published in | 山口医学 Vol. 60; no. 1/2; p. 45 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
2011
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ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | 2008年6月頃から記銘力低下が目立ち, また料理ができなくなり, 2009年5月には会話が成立しなくなった. 2010年2月に歩行障害が出現し2010年7月には歩行不能となった. MRIで側脳室周囲深部白質に高度の白質病変を認め8月に入院した. 高血圧, 糖尿病, 喫煙歴, 高脂血症はなく, 兄・父親とその兄弟・祖父母に脳梗塞と認知症の家族歴あり. HDS-Rは4点, 構成失行・失語を認めた. 脳神経に異常なく, 四肢の著明な痙縮, 腱反射亢進, 病的反射を認めた. 血液検査・髄液検査に明らかな異常なく, MRI T2WI・FLAIR像で両側前側頭極, 深部白質のびまん性高信号域と基底核, 外包の点状高信号域, T2*で多数の斑状低信号域を認めた. 臨床症状に加え特徴的な画像所見からCADASILを疑い, NOTCH3遺伝子exon19のC1015R変異を証明することで確定診断に至った. MRI T2WIで両側前側頭極, 基底核, 外包の高信号域, 深部白質のびまん性高信号域はCADASILの特徴的所見であり, 診断, を進めていく上で非常に有用である. |
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ISSN: | 0513-1731 |