PureSorb-QTM40の健常成人に対する安全性評価と高摂取量での血清コエンザイムQ10値 (p.198-206)

PureSorb-QTM40(水溶化CoQ10粉末,CoQ10含量40w/w%;以下P40)は,脂溶性物質であるCoQ10の一般的な摂取形態であるソフトカプセルと比較して,食後摂取においても有意に速いCoQ10吸収速度と高いCoQ10吸収量を示すことが,ラットとヒトでの単回摂取試験で報告されている.そのためP40の錠型食品によるCoQ10摂取では,ソフトカプセルによる摂取に比べCoQ10摂取量としては同量であっても血清CoQ10値が高くなることが予想された.本研究はP40を含有する錠型食品を過剰に摂取することによる安全性および血清中濃度を確認するため,健常人の男女46名を対象として,プラセボを...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 60; no. 4; p. 221
Main Authors 抜井一貴, 松岡由記, 山岸俊彦, 宮脇寛海, 佐藤 潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2007
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Summary:PureSorb-QTM40(水溶化CoQ10粉末,CoQ10含量40w/w%;以下P40)は,脂溶性物質であるCoQ10の一般的な摂取形態であるソフトカプセルと比較して,食後摂取においても有意に速いCoQ10吸収速度と高いCoQ10吸収量を示すことが,ラットとヒトでの単回摂取試験で報告されている.そのためP40の錠型食品によるCoQ10摂取では,ソフトカプセルによる摂取に比べCoQ10摂取量としては同量であっても血清CoQ10値が高くなることが予想された.本研究はP40を含有する錠型食品を過剰に摂取することによる安全性および血清中濃度を確認するため,健常人の男女46名を対象として,プラセボを対照とした二重盲験群間比較試験を実施した.被験者はランダムに2群に振り分けられ,被験食品としてP40を1日当たり2,250mg(CoQ10として900mg),4週間連続摂取することで検討した結果,被験食品摂取群では摂取開始日の値と比較して血清CoQ10値が摂取2週でピークを示し8.79±3.34μg/mLとなり,その後摂取4週で8.33±4.04μg/mLとなった.摂取終了後2週で1.30±0.49μg/mLとなり,これらの値は,いずれも摂取開始日の値に対し有意な高値であるとともに,試験期間を通じて大きな変動のなかった対照食品群と比較して有意な高値であった.さらに,理学的検査,血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査のいずれにおいてもP40摂取に起因する臨床上問題となる臨床検査変動および不具合症状は発生せず,医師診察においても異常所見がなかった.以上の結果より,P40は安全性が高く,CoQ10の十分な血中への移行が認められる食品素材であることが確認された.
ISSN:0287-3516