体外循環中の動脈血酸素分圧の管理に関する検討 第2報
「要旨」 体外循環(cardiopulmonary bypass : CPB)中の動脈血酸素分圧(PaO2)を低値で管理することで, 酸素運搬量(DO2)を低下させず, Lactateの上昇を抑制する可能性があることを報告した(第1報). しかし, 第1報ではGIKによる高血糖の影響が示唆されたため, 今回, GIK群とMiotecter群で比較検討を行い, 高血糖によるLactateへの影響を検討した. またMiotecterを使用した症例を対象にCPB中のPaO2管理が酸素消費, Lactate等に及ぼす影響ついて検討するため, PaO2が120mmHg未満のPaO2 Low群, 120m...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 46; no. 1; pp. 24 - 32 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.03.2019
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 「要旨」 体外循環(cardiopulmonary bypass : CPB)中の動脈血酸素分圧(PaO2)を低値で管理することで, 酸素運搬量(DO2)を低下させず, Lactateの上昇を抑制する可能性があることを報告した(第1報). しかし, 第1報ではGIKによる高血糖の影響が示唆されたため, 今回, GIK群とMiotecter群で比較検討を行い, 高血糖によるLactateへの影響を検討した. またMiotecterを使用した症例を対象にCPB中のPaO2管理が酸素消費, Lactate等に及ぼす影響ついて検討するため, PaO2が120mmHg未満のPaO2 Low群, 120mmHg以上のPaO2 High群に分け検討を行った. GIK群の血糖が有意に高値であり, Lactateも有意に高値であったため, 高血糖と高乳酸血症の関連性が示唆された. またPaO2 Low群のSvO2が有意に低値であり, Lactate増加率も有意に低かったため, CPB中のPaO2を100mmHg前後で管理することで, DO2を維持し, 高濃度酸素による影響を抑え, Hb結合酸素の利用を低下させず, Lactateの上昇を抑制できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0912-2664 |